(主な質疑)

がんセンター中央病院・研究所

【筒井委員】

 外来患者が急増している。患者受け入れのための改善が急務と考えるが、どのような見解をお持ちか伺う。

【がんセンター中央病院】

 診察、検査の待ち時間の短縮を図ることが必要である。再来患者の診察の待ち時間は、予約制度の整備で30分以内となった。診療科により差違があるが、新来患者の待ち時間の短縮が課題である。

また、通院患者の化学療法治療の待ち時間の短縮のため、中央処置室のベッドの増床、薬剤師及びクラークの増員を図った。

診療の効率化を図るため、来年度から診療の医師にクラークを付けていただくこととなった。

【筒井委員】

 今後、医療器械の整備、PET−CTの稼働などにより一層患者が増加するものと考えるが、患者の増加により収益増となる一方で、医師、技術者が少ないことに対応せねばならない。更に、患者受け入れのための診療スペースも考えねばならない。

がんセンターもお金をかけない方向に進んでいるが、患者の増加により改善が必要なものについてはお金をかけ施設改善が必要である。この点について総長、病院事業庁長の所見を伺う。

【がんセンター中央病院】

 外来での診療比率が高まり収益増に繋がっているが、現在の施設では対応しきれない時期が近づいている。

 特に、低率の包括払制度があり、既に大学病院等で始まっているが、当院でも導入する時期が近づいており、導入すると経営改善のためには外来で診断・治療を行う必要がある。しかし、現在の外来の機能では対応出来ない気がする。

 財政的な面を考慮しつつ、将来的には、外来の診療機能の確保について病院事業庁に要望していきたいと考える。

【病院事業庁長】

 包括払いになることは必至である。今までは出来高払いであったため、検査をやればやるほど病院が潤った。

今後は、必要最小限の検査を行うことにより包括払いに対応し、それが無駄を省くきっかけになる。作業工程を短縮すれば生産性が向上するように、平均在院日数を短縮すれば、待機患者が減少し、また、経営的にも楽になってくる。

設備投資も資金運用に必要な最低限の内部留保資金を確保する中で最新鋭のリニアックの購入ができた。

医師の補充に苦慮しているが、これを逆手に取って県立5病院全体での医師の有効利用を考えていきたい。コメディカルについては、包括医療に対応したクリニカルパスで検査件数等がどう増減するのかやってみないと分からない部分がある。

また、診療報酬の改正による影響がはっきりしない。定数削減は行政合理化の中で避けられないため、定数を増やさず、やるべきことをいかに効率的にやっていくかが課題である。

【筒井委員】

 一つ一つの取組が、病院事業庁と病院がお互いに理解しあう必要がある。患者の立場になれば、外来施設がいっぱいになっても何も対応しないではいけない。患者あっての病院である。改善すべきものは改善するよう要望する。

研究所の人員構成はどのような状況か。団塊の世代が退職する際に、職員構成にひずみが生じる等の問題は懸念されないのか。

【がんセンター研究所】

 職員構成は、研究員44名、研究助手は15名、動物飼育員1名、リサーチレジデント12名である。来年、定年退職が2名。 再来年が3名となっている。研究助手の自然減による問題は生じてくるが、対応については、将来検討委員会で検討していきたい。

【筒井委員】

平成11年当時 技師32名であったが、現在はその半数になり、今後2年から3年経過すると3分の1程度になる。研究所の業務に支障は生じないのか。

【がんセンター研究所】

 支障がないとは言えない。研究員の減はリサーチレジデントが認められているが、助手の減については、現時点では、外部資金を確保しアルバイトなどにより切り抜けつつあるが限界がある。

【筒井委員】

 研究所そのものの存在の重要性をよく知らしめて、必要最低限の人数は確保すべきではないか。

【がんセンター研究所】

 歴代の技師によって培われてきたノウハウが研究員の研究に大きく影響する。       各部3名の助手が今では1名から2名になっている。

【筒井委員】

動物飼育員が18年度に定年退職されるが、退職後はどのように対応するのか。

【がんセンター研究所】

 同職員に替わる職員は研究所内にはいない。他の同様の施設では、専門業者への委託で乗り切っているというのが実状である。一般的には、委託あるいは嘱託による対応であるが、動物は研究所の生命線であるため、現在、あらゆる対応策を検討しているところである。

【筒井委員】

動物飼育員の定年後の問題には慎重に対応していただきたい。

【がんセンター研究所】

 研究者としてもそのことはよく認識しており、委託による方向になっても、専門性が求められる職であるため、しっかりとした形で対応していきたいと考えている。

【筒井委員】

研究所の人員削減計画について、あの当時はあの当時で、そういった目標であったと理解してよいか。数字が一人歩きしているのではないか。将来が心配である。

【管理課長】

 削減計画については、平成11年から12年にかけて議論があった。

当時は、より臨床に近づける基礎研究をやっていくという考え方により定数の見直し計画が発表され、現在は、それに基づき進行中である。

 そうは言うものの、毎年、議論を重ねつつ定数の見直しを行っていきたい。特に、研究補助部門については病院事業庁と病院の見解が異なっているため,今後、この見直し計画を一つの拠り所として議論を進めていきたい。

【筒井委員】

当時の見直し計画案がいいとは誰も思っていない。研究助手がわずか4名である。このような人員でいい研究ができるとは思わないし、納得できない。病院事業庁長は人員削減計画についてどのように考えているのか。研究所は必要なものと考えており、計画が基本ということにはそう簡単に納得のいくものではない。病院事業庁長は人員削減計画についてどのように考えているのか。

【病院事業庁長】

 どこの研究機関もこの問題には悩んでいる。発足当時の必要性に応じて多種多様な職種の職員を採用してきたが、研究の進歩・技術の改新とともに要員の見直しは必要である。必要な要員は残すが、不必要になった技術・要員は見直さねばならない。

 リサーチレジデントを増やすほうが活性化につながる。ただこれが廃れたら研究所は困るというものは主張していく。競争原理も必要であり、若手研究者が集まってくるような研究室、金銭的にも研究費が獲得でき独立できるような研究所であってほしい。

【筒井委員】

司書について、普通の図書の司書と異なりがんセンターは医学図書が中心であるため、相当高い専門的知識が必要とされる。文献についての必要性、特に海外の文献を必要なものと必要でないものとを分類し選択することは、かなりの専門性を必要とする。その司書の削減がどのような形になるのか。

【がんセンター研究所】

 司書の専門性は十分に理解している。その件については病院事業庁と調整しており、その進展によっては改めてお話したい。

 研究所職員は時間もあり自分で文献を選ぶことができるが、病院医師などは忙しいため司書に選んでもらっているのが現状であり、司書は必要である。

 しかし、病院事業庁の意向についてもある程度理解できるので、病院事業庁と話し合いながら、迷惑がかからないよう調整していきたい。

【病院事業庁長】

 大学や研究所の理科系の図書館についてのあり方は全く変わって、最新の論文情報をインターネットで収集できる時代になってきた。私自身も学術活動に必要な論文は総てインターネット、PubMedを介して収集している。臨床の若手医師にはその収集法を研修させ、自らの能力で研究活動をすべきである。

司書がいなければ図書室が成り立たなくなる時代は終わり、研究者一人ひとりがインターネットを活用する時代となりつつある。委員が心配されるようなことはないのではないかと考える。ただ、何か特別な事情があれば考えていきたい。