平成21年:愛知県議会  平成21

      健康福祉常任委員会    3月13

 

 

筒井タカヤ委員】

 

今回の不適正経理処理問題について、関係者は対応について大変苦労したと聞いている。しかしながら、このような問題については、たとえ大変であってもしっかりとした対応を行うべきであり、今回の対応結果については、しっかり申し送りを行っていただきたいと思う。

 

また、これから返還金に関する仕事も残っているが、事務職員だけでなく、今回の事件と直接かかわりがないと思われる医療職、看護職の職員がいる。返還金は強制ではないというが、よく説明する必要があると思う。どのように対応していくのか。

 

 

【健康福祉部長】

 

 委員の皆様、県民の皆様にお詫び申し上げる。調査を実施し、再発防止策も示され、二度と起こさないよう取り組んでいるところである。

 

組織としてこうした土壌があったということであり、もちろん強制ではないが、全員で返還していくことに協力をお願いしている。7月までと時間もあるので、趣旨をしっかり説明し、返還に取り組んでいきたい。また、再発防止とともに、蓄積したノウハウを引き継いでいきたい。

 

 

【病院事業庁長】

 

 医療職の中には、経理業務には携わっていないので、今回の件は関係ないとの意識がある者もいるが、先日、知事が議会で答弁したように、県職員全員が一つとなって県民に謝罪していくという気持ちを示すことが大切であることを伝えていきたい。また、これは強制ではないということもよく説明していきたい。

 

 

【筒井タカヤ委員】

医療職には、返還金に根強い抵抗感があると思う。医師・看護師不足と言われる中で、現場の声に耳を傾け、責任者が誠意を持って対応するよう要望する。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

勤務医環境改善事業費補助金についてであるが、これは昨年の12月補正で認められたものであり、予算額はわずか3006,000円、中味としては2つの事業が挙げられている。

 

一つは、女性の医師の育児等支援のため、短時間の勤務制度等を導入する病院への支援を内容とするともので、「短時間正規雇用支援事業費補助金」、もう一つは、医師の業務負担軽減のため、診断書の代行記載等を行う医師事務作業補助者の設置・充実を図る病院への支援を内容とするもので「医師事務作業補助者設置事業費補助金」で、あわせて3か所の民間病院が補助の対象先となっている。この補助対象の病院はどのようにして選定されたのか。

 

 

 

【医務国保課主幹(医療対策)】

 

 この補助金の目的は、病院勤務医の勤務環境を改善することにある。病院勤務医の勤務を過酷にしている原因の一つとして、重症・軽症問わず、患者の方々が夜間、休日に救急病院に集中するということが挙げられているので、補助対象として、2次救急病院、3次救急病院、加えて特に医師不足の影響が大きく、病院勤務医の負担が増していると思われる小児科、産科を標榜する病院、以上を補助の対象としている。

 

県では補助対象となる計178の病院全てに対して、意向確認調査を実施したところ、3病院から希望があったので、予算化を図ったところである。

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

 178の病院がありながらどうして三つなのか、少し理解に苦しむところもあるが、事実だとすれば、今後どのように進め方も考えていかなければならない。

 

普通に考えると、政策医療を担って頑張っている公的病院こそが補助先にふさわしいと思うが、どうして公的病院は補助を希望しなかったのか。

 

 

【医務国保課主幹(医療対策)】

 

 公的病院が補助を希望しなかった理由について個々には聞いていないが、短時間正規雇用支援事業費補助金については、医師をフルタイムの正規雇用から短時間の正規雇用とすることによって生じる勤務時間の不足分を補充する代替医師の人件費が補助の対象となっており、また医師事務作業補助者設置事業費補助金についても、医師事務作業を補助する者が技能習得のために研修に参加した場合の代替職員の人件費を補助の対象としている。

 

県の緊急な意向調査の中で、代替の医師あるいは職員を確保する目処が、この医師不足の中で立たなかったということはあると思う。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

公立病院が危機的であると言われる中で、実態と今回の件が離れているような気がする。一体なぜこのように反応がなかったのかという検証をするための文書を提出してほしい。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

救急医療におけるドクターヘリの有効性,重要性等については十分承知しているが、ドクターヘリを設置する場合、多くの経費がかかる。

 

平成19年に「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」が制定されたものの、まだ日本の各県においてその配置がされていないが、愛知県は7年前から愛知医科大学病院に配置され、各病院の協力で活動が進んでいる。最近の活動状況について伺う。

 

 

 

【医務国保課主幹(医療対策)】

 

 平成201月から12月までの1年間の出動回数は491件であり、うち現場出動等が350件である。残り141件は要請を受けて現地に飛び立ったものの、救急隊が現場を確認した結果、軽症あるいは死亡等でキャンセルが入り、途中で引き返したというケースである。平成19年の出動件数は496件であり、平成20年の出動件数はほぼ前年と同程度であった。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

ドクターヘリは、着陸場所の確保が問題である。例えば、高速道路で多重事故が起きた時など、高速道路近くの空き地に着陸しても、高速道路はおそらく渋滞で患者との接触に時間がかかると思う。

 

このような時に、高速道路の本線上に着陸できればいいという声があり、そういった要請ができるような環境も整えたいという意見もあった。本県ではドクターヘリが高速道路上に着陸した事例があるか。

 

 

 

【医務国保課主幹(医療対策)】

 

 本県では、これまでに1度だけある。平成19109日、午前10時頃、西加茂郡三好町内の東名高速道路上り線において、車両3台が絡む多重事故があり、傷病者への一刻も早い医療処置が必要という救急隊の要請を受けて、消防が警察、道路管理者と調整した結果、現場から約50メートルほど離れた下り線の本線上にドクターヘリが着陸したというものである。

 

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

高速道路本線上に着陸するには、消防、警察、道路管理者など、多くの関係機関と調整する必要がある。今後、高速道路への着陸を進めていくためには、事前に関係機関で協議をして、ある程度のルールを定めておくことが必要だと思うが、本県の状況を伺う。

これは健康福祉部の問題ではないかもしれないが、ドクターヘリの運航に関わる問題であり、わかる範囲で見解を示してほしい。

 

 

【医務国保課主幹(医療対策)】

 

 ドクターヘリ、愛知県の防災ヘリの高速道路着陸に関して、県防災局、県警本部、愛知県消防長会、中日本高速道路株式会社等道路管理会社、ドクターヘリ運航調整委員会の間で、平成201225日に覚書が締結されている。

 

この覚書は着陸場所の候補地を選定するとともに、関係機関への連絡及び実際の着陸場所の選定、安全確保等に関する手順を定めたものである。今後、万が一ドクターヘリの高速道路着陸が必要な事故が起きた場合は、この覚書に則って、着陸への調整が行われると聞いている。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

平成19年度の着陸の時はそういうものはなく、昨年1225日に覚書が締結できたことは、大変いいことであると思う。議会や委員会で覚書が締結できたことを共有し、理解を深めることも必要である。ある部局だけということでなく、公表し、委員会にも話をしてもらいたい。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

乳幼児への感染が問題となっている細菌性髄膜炎の原因菌の一つである「インフルエンザ菌b型」、いわゆる「ヒブ」について伺う。インフルエンザ菌b型とは、正式名称をヘモフィルスーインフルエンザ菌b型といい、略してHib、ヒブと呼ばれている。細菌性髄膜炎は、脳や脊髄を覆う髄膜に細菌が入り込み炎症を引き起こす。

 

発熱、頭痛、嘔吐、吐き気などの症状から始まり、時に意識障害を伴い、死亡や後遺症を残すこともあり、乳幼児にとって注意を要する疾患である。この細菌性髄膜炎のうち、ヒブによるものが50パーセント以上あると言われているが、どのくらいの細菌性髄膜炎の患者がいるのか。

 

 

 

【健康対策課主幹(感染症)】

 

 感染症発生動向調査に基づく全国約500定点医療機関からの報告によれば、昨年412件の細菌性髄膜炎が報告がされている。このうち、本県の発生状況であるが、17定点医療機関から昨年は21件の報告があった。

 

なお、全国のヒブによる年間発症者数は、約600人と推測されている。細菌性髄膜炎の原因菌はいくつかあるが、最も患者の割合が多いのがヒブによるものであり、また、感染者の多くは4歳までの乳幼児となっている。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

わが国では国内へのワクチン接種の導入が遅れていたが、一昨年1月にヒブワクチンが医薬品として承認され、昨年1219日から発売が開始されたところである。このワクチンについて、乳幼児の父母だけに限らず、例えば祖父母なども含め、幅広く広報を実施していく必要があると思うが、県の見解はどうか。

 

また、先日の本会議において、県のホームページでカタカナの「ヒブワクチン」では検索できないとの指摘がされたが、どのように対応したのか。

 

 

 

【健康対策課主幹(感染症)】

 

 県としては、ワクチン接種が感染症の有効な予防接種の手段とされている水ぼうそうやおたふくかぜなどの任意の予防接種について、以前からホームページ等での広報活動に努めているところである。ヒブワクチン接種の有効性についても、ワクチン発売に合わせて、県のホームページでヒブ感染症や接種のスケジュールなどについて、広報を行っている。

 

今後もワクチンの需給状況等の情報も入手しながら、県の広報など様々な媒体を利用して幅広い広報に努めていく。また、県のホームページでの検索であるが、カタカナの「ヒブ」や「ヒブワクチン」では、検索できない状況になっていたので、直ちにホームページを修正し、現在ではこれらでも検索できるようになっている。

 

 

【筒井タカヤ委員】

今後、県民への広報が徹底できるように取り組んでほしい。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

先日、委員会の調査で、がんセンター中央病院の外来化学療法センターを見たが、看護師が作業を行う場所も狭いと感じたし、また、患者に投与する抗がん剤のミキシングについては、少人数の薬剤師で対応しているということも聞いた。

 

一方、今回、病院事業庁からは、化学療法を必要とする外来患者数の増加に対応するため、がんセンター中央病院の外来化学療法センターを、現行の29床から60床に拡充することとし、来年度は、建物の基本設計を行い、平成24年度中の供用開始を目指していくと聞いている。この外来化学療法センターについては、大幅な増床を行うことから、当然、抗がん剤のミキシング業務が更に増加することが予想されるので、薬剤師の増員が必要だと考えるが、病院事業庁はどのように考えているのか。

 

 

 

【管理課主幹(人事・労務)】

 

 当然、抗がん剤のミキシング等業務量の大幅な増加が見込まれるので、薬剤師の確保は、重要な課題であると認識している。一時期に大量の採用も困難であることから、平成24年度の供用開始に向けて、順次、薬剤師の定数を増加させ、必要な薬剤師の数を確保していきたいと考えている。

なお、現在の外来化学療法センターについては、全体的に手狭な状況となっているので、来年度の外来化学療法センターの建物の基本設計の中では、患者や職員の動線も踏まえながら、アメニィティーの高い施設となるよう、十分に検討していきたいと考えている。

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

 あのような狭隘なところで治療を受けるのは、患者も大変だと思うが、薬剤を管理する薬剤師が間違いをしないかと不安感を覚えた。平成24年度の共用開始までは、間違いのないようにしてほしい。同時に、がん専門の知識を持った薬剤師は1名であり、さらに1名増やすという話も聞いたが、60床にするにあたり体制をしっかり整えてほしい。

 

【管理課長】

 薬剤師や看護師も高度専門医療のためには、高度な資格が必要である。認定看護師・薬剤師を育てるため、計画的に研修を受講させているところである。認定薬剤師を採用するのではなく、我々の組織の中で育てるよう努力している。

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

資格を取得するには、大変な労力がかかり、資格を取得したからといって給料が上がるわけでもない。資格を取った職員に対して、それに見合った処遇をすることが大切である。以前、認定看護師については、そのことが分かるバッジを付けるよう、また、がんセンターニュースでも紹介するよう質問をした。

 

また、名札の色を変えて認定看護師・薬剤師であることが分かるようにしてもらいたいとも言ったが、どうなっているのか。

 

 

 

【管理課長】

 

 認定看護師については、それが分かるようにバッジを付けるようにしており、また、がんセンターの広報誌でもそのことを記事にしている。

名札の色を変えることについては、組織における位置付けもあり、また、それぞれの部門の中で認定を取られた方をどのように処遇していくかということも課題でもあり、今しばらく研究したい。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

資格取得のための努力をしようとする気持ちにさせるような処遇をすることが大切である。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

現在、医師不足が社会問題化し、常時、公立病院は医師確保に大変苦労している状況だと認識している。こうした状況を踏まえて、国の人事院では、医師給与の引き上げが勧告され、本県の人事委員会も同様の勧告がなされたものと承知している。

 

本県の人事委員会の調査では、現在、病院事業庁の医師給与と、民間医師の給与の間には、年間で約200万円程度の差があることとなっており、県立病院の医師給与の低さが医師確保のための阻害要因の一つであることは、まぎれもない事実となっている。

 

しかし、本県では、財政状況の急激な悪化に伴う緊急避難措置として、来年度は全職員を対象とした給与抑制を行うことになっている。医師については、その確保のために、本来ならば処遇を改善すべきである状況下であると認識しているが、今回逆行するように、医師についても給与の抑制を行い、その処遇を改悪することにははなはだ問題があるのではないかと思う。

 

一方、名古屋市においては、昨年10月に医師給与を改善したと聞いているが、病院事業庁は承知しているのか。勤務医不足の中、本県が医師の給与抑制を行えば、医師が名古屋市などの他の公立病院や民間病院の方に流れてしまうのではないか。

 

いずれにしても、このような時にこそ、県立病院の医師に対する何らかの処遇改善が必要なのではないか。以上の点について、病院事業庁としてはどのように考えるのか。

 

 

 

【管理課主幹(人事・労務)】

 

 まず、名古屋市の状況であるが、総務省の平成19年度地方公営企業決算統計調査によると、単純平均ではあるが、医師給与については、本県の方が年収で約60万円程度上回っているが、名古屋市は、昨年10月に特殊勤務手当により、平成20年度は年収で約50万円程度の医師給与の改善を行ったと承知している。

 

この改善により、名古屋市は本県の状況に概ね近づいたものと認識している。次に、病院事業庁としては、県立病院勤務医確保のための医師の処遇改善について、今回の人事委員会勧告をしっかりと受け止め、初任給調整手当の大幅な改善を行なうこととしている。

 

今回の初任給調整手当の改善により、現行で月額100,100円の手当額が改善後には月額249,100円となり、月額で149,000円の引き上げとなる。給与抑制については、危機的な県の財政状況への対応として、医師も含めた全職員で受け止めるものである。

 

結果として、医師については初任給調整手当の大幅な改善により、抑制を加味しても年収は大幅に増加するものと見込んでいる。病院事業庁としては、県立病院医師の給与が一定程度改善できたと考えている。

 

しかしながら、医師の給与も含めた処遇改善については、病院事業庁の最重要課題として、今後も、社会情勢等を見極めながら、引き続き検討していきたいと考えている。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

 医師の給与改善があることをほとんどの人が知らない。医師不足への対応のためにも、もっと広報すべきではないか。

 

 

 

【病院事業庁長】

 

 少し視点を変えた意見だが、先ほど病院事業庁の医師給与と民間医師の給与の間には、年間200万円程の差があるとの話があったが、これは民間病院の勤務医との比較であると思う。個人の開業医の場合は、「仕事半分、給料3倍」と言われており、医師会のデータでは、勤務医と開業医では1千万円以上の開きがあると思う。

 

先日、がんセンター中央病院の部長に退職理由を聞いたら、「3人の子どもを大学に進学させるには、この給料ではどうしようもないので、開業したい。」とのことであった。これは国家的な医療資源の喪失である。現在、全国の自治体病院の7割から8割が赤字であるが、その要因は診療報酬制度であると考えている。

 

高度医療はやればやるほど赤字になってしまうシステムである。そのため、県立病院も一般会計から補填してもらって経営しているのだが、診療報酬制度が改善されれば相当なことでできる。委員の皆様にも、次回の診療報酬改定時には、是非ともご支援をお願いしたい。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

 

 今の話を聞いて、高度なものをやればやるほど赤字になることが分かった。こうしたことから一般会計から負担金が補填されている。

単に赤字を出すことが悪いというわけではない。医療制度も悪い。これからも高度な医療を行っているがんセンターを支えていきたい。