愛知県議会(健康福祉常任委員会)平成20年3月12日(議事録)より
【筒井タカヤ委員】
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昨年の12月県議会の本委員会で、介助犬訓練施設の整備について取り上げさせていただき、介助犬は、障害者の自立と社会参加を促進する上で有効な手段であり、県として、この施設整備への支援にしっかり取り組んでいただくよう要望させていただいたところであります。 当初予算案をみますと、「介助犬訓練施設設置費補助金」として400万円が上程されております。この補助額は、中部4県・1市の中で最大であり画期的なことだと考えておりまして、県のご尽力に感謝する次第であります。 しかし、施設が整備されても有効に活用されなければ、その機能を十分に発揮することはできません。そこで、順次、質問してまいります。 まず、身体障害者補助犬の社会参加促進効果についてであります。私は、日ごろから、障害者が生き生きとして家庭復帰や社会復帰が果たせるような積極的な取り組みが行われることを望んでおります。 介助犬を始めとする身体障害者補助犬は、福祉用具やホームヘルプとは異なりまして、障害者自身の自尊心の向上やエンパワメントなどの効果があるといわれており、障害者の自立と社会参加の促進のためにも、身体障害者補助犬が益々活用されることを期待しているものであります。 県として、身体障害者補助犬の障害者社会参加の促進効果について、どのように捉えておられるのか伺います。 |
【障害福祉課主幹】
身体障害者補助犬の障害者社会参加の促進効果についてですが、身体障害者補助犬には、盲導犬、介助犬及び聴導犬の3種があります。盲導犬ですが、目の不自由な方を街中で、障害物を避けながら安全に誘導し、介助犬は、体の不自由な方の手足となって、ドアを開けたり、電気をつけたり、ベッドヘの移動を介助したり、障害に応じた介助を行います。
また、聴導犬は、耳の不自由な方にお湯の沸く音、ドアのチャイム、電話やファックス、車のクラクションなどを聞き分け教えます。
このように、身体障害者補助犬は、障害のある方の日常生活上の不自由さを軽減してくれますので、障害のある方にとって、外出への意欲が出たり、精神的な安らぎを得たりすることになり、社会参加が促進されるものと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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次に、身体障害者補助犬育成補助事業についてであります。 障害のある方の社会参加を促進するため、自治体が実施している「地域生活支援事業」の中に、「身体障害者補助犬育成事業」がメニュー事業として位置づけられ、補助犬を使用することにより社会参加が見込まれる方に対しまして、その育成に要する費用を助成することができるとされていますが、本県の事業はどのような内容になっているのかお尋ねします。 また、盲導犬、介助犬、聴導犬の各々について、これまでの育成補助の実績はどうなっているのか併せて伺います。 |
【障害福祉課主幹】
身体障害者補助犬育成補助事業でありますが、事業内容につきましては、身体障害者補助犬の育成に要する経費といたしまして、1頭当たり150万円を上限に、身体障害者補助犬を無償貸与した訓練事業者に補助しております。
また、補助の実績でございますが、この5年間(平成14年度〜平成18年度)では、盲導犬につきましては、財団法人中部盲導犬協会に対して、12頭分を補助しておりますが、介助犬と聴導犬については補助の実績はありません。
【筒井タカヤ委員】
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介助犬の育成補助について実績がないとのことですが、介助犬そのものが知られていないからと考えます。 盲導犬は、30年余りの歴史がありますし、名古屋駅前などでの街頭募金や各種イベントなどに参加されていますので、多くの方が知っていると思います。 また、皆さん、記憶に残っていると思いますが、盲導犬サーブも認知度を高めるため大いに貢献しました。盲導犬サーブは主人を誘導中、前方から突っ込んできた暴走車から主人を守って事故に遭い、後に前片足を切断するほどの重傷を受けました。このことを描いた本が出版され、全国的に感動を与えました。現在は銅像が立っているほどです。 しかしながら、介助犬の歴史は浅く、実働頭数も極めて少ないことから、あまり知られておりません。 介助犬を知ってもらうためには、子どもへの福祉教育の題材や福祉イベントのコーナーとして、介助犬を利用することも有効と考えますが、介助犬の普及啓発について、県はどのように取り組んでいかれるのか伺います。 |
【障害福祉課主幹】
介助犬の普及啓発でありますが、厚生労働省が作成しましたポスターやパンフレットを市町村や関係団体に配布するとともに、障害福祉課のホームページに掲載し情報提供に努めております。今後とも、ホームページや福祉ガイドブックに訓練施設に関する情報や相談方法も記載するなど、更なる充実に努めてまいります。
また、小中学校の福祉教育の場での活用や市町村等が実施される福祉関係のイベントでの紹介コーナーの設置につきましては、委員ご指摘のとおり普及啓発を図る上で有効と考えますので、社会福祉法人日本介助犬協会と連携しながら、教育委員会・市町村等関係機関と調整してまいりたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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介助犬の利用を促進するためには、多くの方に介助犬を知ってもらうということが大切であります。一人でも多くの障害のある方が自立し社会参加できるよう、日本介助犬協会と連携して普及啓発に努めていただくことを要望します。 次に臓器移植の推進について、お尋ねします。移植医療の適正な実施を目的に、「臓器移植に関する法律」が平成9年10月に施行され、ちょうど10年になりますが、この間の県内における臓器移植の事例はどのようになっているのか、まず伺います。 |
【医務国保課長】
臓器の移植に関する法律施行後の10年間の県内における臓器移植の事例のお尋ねでございますが、臓器の移植に関する法律施行後、脳死からの臓器移植の事例は全国で65例でございます。
このうち、愛知県内の病院で脳死により臓器が摘出された事例は3例、臓器が移植された事例は8例でございます。最近では、本年1月に、藤田保健衛生大学病院で中年の方から肝臓及び腎臓が摘出され、腎臓につきましては、名古屋第二赤十字病院と
また、平成9年から18年までの10年間の愛知県内の心臓死での腎臓提供者数は131人、腎臓の移植件数は181件となっております。
【筒井タカヤ委員】
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臓器提供の意思表示は、本人が書面ですることが必要とされています。このため、厚生労働省と日本臓器移植ネットワークが中心となって「臓器提供意思表示カード」の普及に努め、同ネットワークによれば、累計配布枚数は平成17年9月に1億枚を突破し、昨年12月末には1億1,396万枚にのぼっています。 それにもかかわらず、臓器移植がなかなか進まない背景として、「臓器提供意思表示カード」の所持率の低さが挙げられ、平成18年11月に内閣府が全国20歳以上、3,000人を対象に行った「臓器移植に関する世論調査」によると、この「臓器提供意思表示カード」を知っていたか聞いたところ、「知っていた」と答えた者の割合は66.4パーセントであり、さらに「臓器提供意思表示カード」などを持っているかを聞いたところ、「持っている」とする者の割合は、わずか8.0パーセントという結果でありました。 「臓器移植に関する法律」第3条には、「国及び地方公共団体は、移植医療について国民の理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」と規定されていますが、県における取組状況について、お尋ねします。 |
【医務国保課長】
移植医療についての国民の理解を深めるための県における取組状況のお尋ねでございますが、国におきましては、毎年10月を臓器移植普及推進月間と定め、普及啓発活動を行っております。本県におきましては、この普及推進月間を中心に、県・市町村の各種施設、運転免許センター、献血ルーム、警察署等にポスターや臓器提供意思表示カード・シール等を配布し、普及啓発活動を行うとともに、市町村を通じて成人式の際には新成人に対し、臓器提供意思表示カード・シールの配布を行っております。
また、今年度は、臓器移植普及推進月間中の平成19年10月20日(土)に
【筒井タカヤ委員】
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「臓器提供意思表示カード」の所持・普及を図るためには、医療保険の被保険者証への「臓器提供意思表示欄」の表示が有効であることから、平成15年8月の厚生労働省保険局長通知で、健康保険被保険者証の余白を臓器提供の意思表示の記入欄に使用することとして差し支えないことが明記され、19年4月から社会保険庁が所管する政府管掌健康保険被保険者証の裏面に「臓器提供意思表示欄」が設けられた新しい被保険者証が、順次交付されるようになりました。 また、国民の約4割が加入する国民健康保険の被保険者証に、「臓器提供意思表示欄」を設ける試みも始まっており、例えば、宮崎県では、県内30市町村のうち、平成19年度中に20市 |
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町村で意思表示欄付き被保険者証を発行することとしています。県民の約35パーセントが加入する国民健康保険の被保険者証に「臓器提供意思表示欄」を設置することは、「臓器提供意思表示カード」のさらなる所持・普及を図るために、極めて有効であると考えますが、県は国保保険者に対し、「臓器提供意思表示欄」の設置をどのように指導していかれるのか、御所見を伺います。 |
【医務国保課主幹】
国保保険者への「臓器移植意思表示欄」の設置の指導のお尋ねでございますが、委員ご指摘のとおり、被保険者証の余白を臓器移植の意思表示の記入欄として使用することができるようになりました。
そこで、県としましては、平成18年8月の国保被保険者証の更新時期に先立つ18年5月に、市町村国保及び県所管の国民健康保険組合に対し、国保の被保険者証への「臓器提供意思表示欄」の設置について、健康福祉部長名で協力をお願いいたしました。
しかしながら、現在のところ、被保険者証に「臓器提供意思表示欄」を設置、あるいは「臓器提供意思表示シール」を貼っている保険者は、
【筒井タカヤ委員】
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今年の8月の更新時期に合わせてさらにお願いするとのことでありますが、ぜひ実現方、普及が図れるように要望いたします。 次に、人工透析の問題についてお尋ねします。平成7年に発生した阪神・淡路大震災や、平成16年に発生した新潟県中越地震において大きな被害が出たことは記憶に新しいと思います。これらの地震は地表近くの活断層が動いて起こる地震で、規模は比較的小さいものの、人々の住む町の周辺で起こると、震源からの距離が近いため、大きな被害を出すことなり、深刻な被害をもたらすことは言うまでもありません。 一方、東海地震や東南海地震はプレート境界型と呼ばれる地震であります。地球の表面は、大小10枚程度のプレートと呼ばれる板状の岩盤で覆われています。そのプレートとプレートがぶつかり合うところでは、伸びや縮みなどのひずみが生じ、このひずみが限界に達するとこらえきれなくなり、プレートが急に戻ります。 この時に起きる地震がプレート境界型地震です。この地震の特徴は、規模が大きく、また、大規模な津波による被害が想定されるところです。つまり、非常に広い範囲にわたって大きな被害がもたらされる可能性が高いということです。 私たちの住むこの地域は、このような地震がいつ起こってもおかしくないと言われております。 さて、本県には、現在約14,000人の透析患者がいます。人工透析は通常2日に1回、1回当たり4時間が必要だとされ、多くの水も必要だとされております。また、透析患者は普段の日常生活においても厳しい食事制限があります。 災害時においても透析患者が人工透析を受け続け、自立して生活していくためには、透析医療機関において施設を耐震化するなど、人工透析を受けることができる体制を確保することが必要だと思います。また、1回あたり120リットルの水が必要とされている人工透析を実施することができるだけの水を確保することも重要だと思います。 |
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そこで質問ですが、透析医療機関は県内にいくつあって、それらの耐震化の状況はどうなっているのかをまず伺います。 |
【医務国保課長】
透析医療機関の数と耐震化の状況について、お答えいたします。
県内には、現在177か所の透析医療機関がございます。本年3月、これらの医療機関に対しまして、建物の耐震化がなされているかどうかの調査を実施いたしました。回答率は85パーセントでございまして、「施設の耐震化がなされている」と回答した医療機関は、回答のあった施設の約90パーセントにあたる134か所でございます。
また、「整備中・計画中である」と回答した医療機関は3か所でございます。
【筒井タカヤ委員】
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上水道は使用出来なくなる場合も想定されますが、そのようなとき、水を確保するための代替手段としてどのようなものが想定され、それがどれぐらい確保されているのかお答えください。 |
【医務国保課長】
上水道の代替手段とその確保状況についてお答えいたします。
上水道が使用できなくなる場合の代替手段ですが、井戸水による確保、受水槽・高置水槽による確保、市町村が行う応急給水による確保が考えられます。これに関しましては、「上水道のみ」とした医療機関は、回答のあった施設の20パーセントにあたる30か所となっており、残り120か所については、いずれかの代替手段を確保しております。
複数回答になりますが、上水道のほかに、「井戸水を確保している」とした医療機関は21か所、「受水槽・高置水槽により確保している」と回答した医療機関は108か所、「市町村が行う応急給水の優先的利用による確
保」と回答した医療機関は21か所という状況になっております。
【筒井タカヤ委員】
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次に水道管の耐震工事についてお尋ねします。 災害時に人命の安全確保を図るため、市町村ごとの地域防災計画等において給水優先度の特に高い施設として位置づけられている病院等までの水道管につきましては、その耐震工事は水道事業者により順次進められていると聞いております。すなわち、病院の敷地まで、もう少しわかりやすく申しあげますと、水道事業者が設置する水道メーターまでは、耐震化が進められている状況であるといえます。 一方、先ほどお答えいただいた調査結果によれば、透析医療機関の耐震化も約90パーセントで実施されており、かなり進んできているといえるのではないでしょうか。 しかしながら、これらの耐震化に加えて水道メーターから透析医療機関までをつなぐ引き込み管の耐震化がなされなければ、この部分が破損し、もしもの時に水が出ないということも危倶 |
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されます。 そこで、水道メーター以降の医療機関敷地内の引き込み管の耐震化について、どのような状況であるのか伺います。 |
【医務国保課長】
上水道の水道メーターから医療機関の施設までの引き込み管の耐震化のご質問でございますが、水道メーター以降の医療機関敷地内の引き込み管につきましては、各医療機関の所有となっておりまして、その耐震化の状況につきましても調査を実施いたしました。
「耐震化がなされている」と回答した医療機関は、回答のあった施設の約30パーセントにあたる、44か所でございました。なお、「不明」と回答したものが最も多く、約40パーセントにあたる58か所でございました。各医療機関に対しまして耐震化がなされているかどうか確認するよう再度要請するとともに、耐震化がなされていない医療機関には、その対応につきましても要請していきたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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透析のできる医療機関の数は限られているわけですから、医療機関が被災した場合は県内の他の医療機関で透析を受けてもらわなければなりません。また、被害の状況によっては、県内のみならず、県外で透析を受けていただく必要もあるように思います。 平成16年の新潟県中越地震では、水の供給装置の損傷や断水により3つの病院で透析ができなくなり、300人を越える患者の受け入れ先を確保する必要が生じましたが、新潟県内だけでなく長野県や埼玉県など近県の医療機関でも受け入れ先を確保することができたと聞いております。 そこで、県内においてこのような連携体制ができているのかどうか。また、県内だけでは対応できない場合の、他県との協力体制は、どのようになっているのか伺います。 |
【医務国保課長】
平成16年の新潟県中越地震におきましては、透析医療機関の被災情報や患者情報の把握など、関係機関による情報の共有化ができたことが円滑な透析医療につながったと言われております。
このような情報の共有化につきましては、日本透析医会が中心となって全国の透析医療機関を結ぶ「災害時情報ネットワーク」が構築されており、本県もこのネットワークのメーリングに参加し、災害時に必要な情報を得ることができるようになっております。
また、他県との協力体制でございますが、多くの透析医療機関が被災し、県内ですべての透析患者への人工透析の実施が困難となるような場合には、災害時に立ち上げる愛知県透析医会災害対策本部において、災害時情報ネットワークのメーリングを活用して人工透析の実施可能な他県の透析医療機関へ支援を要請する仕組みを構築しておりますので、同本部との密接な連携を図って参りたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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透析患者の場合、身体障害者という側面もお持ちになり、その多くの方々は身体障害者手帳を持っておられますので、市区町村におきましては、ほとんどの透析患者を把握しているという現状があると思います。 そこで、災害時においても透析患者が人工透析を受け続け、自立して生活していくためのもう一つの提案といたしましては、例えば、区役所や市役所などに設置される比較的大きな避難所に自力で到達できる透析患者には集中して避難してもらう。 そうすれば、その避難所に透析患者用の非常食を集中して保管したり、透析患者の健康状態や優先度を見て人工透析の順番を決めて透析医療機関を紹介するなどの全体管理を行うなどにより、人工透析を受ける体制を確保するなどの支援を行うことができるものと思います。 もちろん、透析患者であっても、災害時の非常食の確保は、まず自助努力によってなすべきことは、健常者と同じですし、自分自身の健康管理を行うこともまたしかりであります。関係者から聞き及んだところによりますと、愛知腎臓財団などの関係団体におきまして、災害が起こったときに透析患者がとる行動マニュアルを作成し、その中で「地震に対する普段からの準備」や「地震が起こったときの避難所での行動や避難中の食事の管理」について記載し、透析患者への災害時の対応についての啓発が進められているとも聞いております。 しかし、自助努力での対応についても限界があることは事実であり、健常者用の非常食の一部を、カリウムの含有量の少ないものや、十分なエネルギーが確保できる透析患者用のものにすることの対応が必要ではないかと思います。透析患者用の非常食であっても、その部分の対応は必要ではないかと思います。 ここで質問ですが、透析患者用の非常食がどれほど備蓄されているのかどうか伺います。また、自力で移動可能な透析患者を集中して受け入れるための避難所を市役所や区役所に設置する考えがあるのかどうかお伺いします。 |
【医務国保課長】
慢性腎不全の患者は、2、3日に1回人工透析を実施することが生命維持に不可欠であるため、災害時においても、人工透析を継続することがきわめて重要であると考えております。災害時の食料の備蓄につきましては、県や市町村による備蓄のほか、商店などと協定を結んで常に一定量を商店などに備蓄しておいてもらう、いわゆる流通備蓄や家庭内備蓄により、それぞれ想定需要量を上回る量が確保されておりますが、このうち、透析患者が摂取できる食料がどれぐらい確保されているかは今のところ把握しておりません。
今後、透析患者の災害に対する不安を少しでもなくすように、透析患者への特別の食料の備蓄が必要かどうかを含めまして、どのような対応が適切か、関係機関等とも連携しながら検討してまいります。
また、透析患者を受け入れる避難所の在り方につきましても、関係機関等と検討を行ってまいります。
【筒井タカヤ委員】
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その点については、まだまだ議論を深めなくてはいけない。愛知県腎臓財団の資料を見ても、阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震といったいわゆる断層型地震のみが考えられています。 |
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また、各市区町村においても同様であります。愛知県が取り組んでいるのは、プレート型の大規模な地震災害であります。そのことを考えて見ますと現状と合わないところが多々あります。名古屋市の名東区でいえば一社付近の避難所は名東小学校ですが、緊急の透析患者への対応は全くできていません。そこには一般の避難所としての食料がきますけれども、透析患者はとてもそんな食料は食べられません。透析患者にとって、イチゴを2パック食べただけで致命傷になってしまいます。例えば、透析患者であれば名東区役所に全部行くとか、対応を真剣に考えていただきたい。先に八事第二赤十字病院で対応の想定を検討してもらっていましたが、そのようなプレート型の大規模地震の対応の約束事はまだどこも出来ておりません。是非真剣に議論を深めて対応を検討されるよう強く要望します。 次は、がん対策の取り組みの中で、特に地域がん登録事業についてお尋ねします。 神田知事は平成18年12月に出されましたマニフェストの政策の柱1の【安心】の第5に「がん撲滅先進県を目指す」ことを掲げておられます。がんの撲滅とは、がんに罹って苦しんだり、がんに罹って不幸にして命を落とす県民をできるだけ減らすという意味ととらえてよいのでしょうか。 |
【健康対策課主幹】
委員、ご指摘のとおりの意味であると考えています。
【筒井タカヤ委員】
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平成18年6月に成立したがん対策基本法に基づき、愛知県を含む全国の都道府県は、各県の実情に応じたがん対策推進計画を今年度中に作る予定と聞いています。ところで、愛知県では毎年何人の方ががんに罹っておられますか。 |
【健康対策課主幹】
平成15年の愛知県悪性新生物患者届出事業において把握したがんの患者数は、男性15,589人、女性10,963人、合計26,552人であります。
【筒井タカヤ委員】
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平成15年のデータでは古いと思いますが、もっと新しいデータはないのですか。 |
【健康対策課主幹】
がんにつきましては、診断確定が困難で、治療期間が長期にわたることから遅れて届出がされることが多いため、診断年以降2年間待って集計・分析を行っています。このことから、現段階では、平成15年のデータが最新であります。
【筒井タカヤ委員】
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年間のがん患者数が26,552人というのは、人口比率としては他県と比較して多いのでしょうか、少ないのでしょうか。 |
【健康対策課主幹】
入口10万人あたりのがんに罹った人の数(粗罹患率)でみますと、本県は339.1であります。厚生労働省の研究班の調査によりますと、これは地域がん登録事業を実施しています35道府県のうちで、多い方から数えて22番目であります。
【筒井タカヤ委員】
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その数(26,552人)はどのくらい正確ですか。また、実数はそれよりも多いのか、少ないのかお尋ねします。 |
【健康対策課主幹】
厚生労働省の研究班の調査によりますと、本県における推定登録率は約72パーセントであります。従いまして、がんの罹患率の実数は26,552人より多く、約37,000人と推計されております。
【筒井タカヤ委員】
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現在、35の道府県で地域がん登録事業が行われていると聞きました。愛知県よりデータ精度の高い県はどこなのでしょうか。 |
【健康対策課主幹】
がん登録のデータの精度を評価する方法の1つに、DCO割合を比較する方法があります。DCOとは、患者としての届出がなく、人口動態統計の死亡票で初めてがんであったことが判明した患者など、死亡診断書を作成した医療機関へ届出票の記載内容に関して遡り調査を実施しても、なお、患者に関する詳細な情報が得られなかった、あるいは調査そのものをしなかった症例のことであります。
このDCOが登録患者数に占める割合、つまりDCO割合が小さいほど登録精度がよいということになります。厚生労働省研究班の調査によりますと、本県では、この割合は32.5パーセントでした。DCO割合が本県より小さいのは、福井県0.0パーセント、岡山県7.6パーセント、佐賀県、長崎県、山形県、宮城県、鳥取県、滋賀県、山口県、新潟県、大阪府、京都府、千葉県で、14番目に愛知県となっております。
【筒井タカヤ委員】
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WHOはこのDCO割合を5パーセント以下にすることを提唱していると聞いております。先ほどの話のあった研究班の報告書では、愛知県はDCOが32.5パーセントで35道府県中14位、国際的なレベルから大きく遅れていることを知りました。 愛知県がどのようにして改善に向けて取り組むのか、早急に計画を作っていただきたい。これについて、お考えを述べてください。 |
【健康対策課主幹】
DCO割合を低減させるためには、死亡診断書を発行した医療機関に対する遡り調査を実施することが重要であると考えております。先ほどの厚生労働省の研究班が調査した時点では、本県は、遡り調査を実施しておりませんでしたが、平成19年度からは実施しております。
平成19年度は3,881件について、遡り調査を実施いたしました。今後は、今年度の調査結果がまとまり次第、その結果を分析し、DCO割合の改善に向けた検討をしてまいりたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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がんを撲滅するためには、まず初めに県内で毎年何人の方が、どの種類のがんに罹っているのかを正確に把握することが重要であることは明らかです。敵がどこにどれだけいるかがつかめないで、有効な作戦計画は立てられず、従って、知事の選挙公約のがんの撲滅先進県は、達成が困難か、または達成されたかどうかすら分からないという状況になると心配しているのであります。 登録の精度が低い理由はいくつかあると思われますが、最も重要なものの一つが、事業の体制不備によるものと考えられます。愛知県がん登録事業の集計・分析などの作業は愛知県がんセンター研究所が実施しています。 私が研究所に出向いて聞き取り調査をしたところ、県は研究所にアルバイト1人分の120万円しか出していません。このため、不足する多額の事業費について、研究所の研究費の一部ががん登録事業に充当せざるを得なくなっていました。 また、研究者2名が、本来の研究活動を行った上に、がん登録に関する業務にも協力せざるを得なくなっていることも判明したわけであります。 この状況は、例えば同一規模の都道府県である大阪府では、大阪府立成人病センター調査部調査課に業務委託していました。ここでは同調査部疫学課とは別に、地域がん登録事業に医師2名、保健師2名、システムエンジニア1名、電算技師1名、事務職4名の計10名を配置していることに比べても、大きく見劣りするものであります。 また、人口240万人の宮城県ですら、宮城県対がん協会に委託している県のがん登録事業の予算規模は、県から1千万円、対がん協会から1千万円の合計2千万円に上っており、これを元に、6人の職員で業務を行っていました。さらに、人口86万人の佐賀県ですら、地域がん登録事業の運営費に毎年500万円を充てています。 地域がん登録事業は、平成15年5月に施行された健康増進法の第16条において県が実施主体であることが位置づけられましたが、愛知県はその法律が施行された後も、また、平成18年6月にがん対策基本法が成立した後も、県がん登録事業を見直すことなく、今申し上げたような他府県と比べてかなり見劣りする事業体制が続いています。 県の人口規模に応じた地域がん登録の事業費及び人員を新たに確保し、がん撲滅先進県というにふさわしい愛知県がん登録事業の強化を早急に図る必要があると思いますが、どのような体制で、どのくらいの予算規模で実施していく予定かお尋ねします。 |
【健康対策課長】
本県におけるがん登録をさらに充実させるためには、現在の事業のあり方を見直す点があると考えております。そこで、現在策定中の「愛知県がん対策推進計画」では、「がん登録の推進」を目標項目の一つに掲げ、がん登録の精度を向上させるために、5つの目標項目を掲げております。
具体的な項目として、「がん登録に関する認知度調査とがん登録のあり方に関する検討を行い、課題と対応策をまとめること」や、「すべてのがん拠点病院における外来患者を含めた院内がん登録率を95パーセント以上とする」などであります。
今後は、愛知県がん対策推進計画に基づき、より精度の高いがん登録事業となるよう、県のがん診療連携拠点病院であるがんセンターとそれを所管する病院事業庁などの関係機関とともに検討してまいりたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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「あり方に関する検討」や「関係機関との検討」は大いに議論を尽くしていただきたい。ただし、次の点だけは指摘せねばならないと思います。この事業に県の規模に見合った予算や人員を充当しない限り、検討作業は徒労に終わります。 そこで、県の規模に見合った予算や人員を充当することを前提とした検討でなければ全く意味はありません。私が県議としてある限り、今後も議会活動を通じてこの点を正してまいります。 次に、政府が平成19年6月に策定したがん対策基本計画では、がん医療の均てん化、すなわち質の高い標準治療を普及することによってがんの治療成績を全体として底上げして、救命可能ながん患者さんを確実に治すという戦略が大きな柱になっています。 ところで愛知県内のがん患者の治療成績・生存率は、地域によって、また、病院の種類や規模によって、どれくらいの格差があるのかお答えください。 |
【健康対策課主幹】
本県では、地域がん登録のデータを基にしての地域ごと、あるいは病院ごとの生存率は計算しておりません。これは地域や病院により、届出率にばらつきがあるとともに、個人情報保護の問題もあり、登録患者の生存確認のために必要な住民票照会を今のところ実施していないことなどにより、厳密な意味での正確な生存率を計算できないことなどが主な理由であります。
【筒井タカヤ委員】
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県がんセンターだけではなく、県全体として他の県と比べて、治療成績は現在高い方なのか、それとも低い方なのかお尋ねします。 |
【健康対策課主幹】
他府県で生存率を公表しているのは、大阪府、福井県、神奈川県でございます。正確な生存率を計算するには、登録患者の住民票を照会する必要がありますが、本県においては今のところ実施しておりません。
従いまして、計算した生存率は実際より高く見積もられている可能性があります。このため、住民票を照会している他県のデータとの比較は、厳密にはできない状況であります。
【筒井タカヤ委員】
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本県は、生存率の計算に必要な住民票照会をしていないとのことであるが、今後は住民票照会をするつもりはありませんか。 |
【健康対策課長】
地域、病院、道府県の間で比較することが可能な生存率を計算することは、がん対策において重要であると考えております。今後は、住民票照会の実施について、個人情報の保護に十分配慮しながら、県民生活部や市町村などと協議してまいりたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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お答えのとおり、がんの撲滅先進県を目指すのであれば、山形県、福井県、大阪府のように、がん登録資料を用いて府県内の医療機関におけるがん患者の生存率を正確に算出し、がんの医療レベルの格差や均てん化をきちんとモニターし、その結果をがん医療の整備拡充に反映させられるよう、体制を整備する必要があると思うがいかがでしょうか。 |
【健康対策課長】
委員、ご指摘のように、県内の医療機関において生存率を計算できるような体制を整備することは、がん医療を充実させる上で大変重要であると考えております。
今後は、「愛知県がん対策推進計画」に基づき、より精度の高いがん登録事業となるよう、効率よく事業を進めている他県の例を参考にしながら、県がんセンターとそれを所管する病院事業庁などの関係機関と、がん登録事業のあり方について検討してまいりたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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昨年の議会で、愛知県がんセンターで入院治療を受けたがん患者さんの5年生存率を私が質問し、答弁していただいた。しかし、愛知県がんセンターは愛知県内のがん患者の約10パーセントの診療をカバーしているに過ぎません。 神田知事のマニフェストのように、愛知県ががん撲滅先進県を目指すのであれば、がんセンターだけでなく、他の地域のがん診療連携拠点病院や大学病院、一般病院で治療を受けたがん患者さんの生存率をも計測し、がん対策の評価に活かす必要があります。 ところで、正確な生存率を算出するために必要な患者さんの予後調査は、相当な労力がかかるため、各病院がばらばらに行うよりも県が登録事業の一環として一括して行うほうが効率的だと聞いています。 この点、大阪府では、府内の各病院が大阪府がん登録に届出たがん患者さんの予後、生死については、大阪府がん登録室が一括してこれを調査し、その結果を各病院に還元しており、これによって各病院の予後調査に関する作業負担を軽減していると聞いています。 このような賢いやり方がなぜ愛知県ではできていないのか不思議に思います。このような作業に対処するためにも、現在愛知県の人口に不釣合いなほどに少ないがん登録事業に従事する県職員を新たに増員するなど、具体的な措置を講じる必要があると思いますが、いかがでしょうか。 |
【健康対策課長】
本県のがん登録事業に従事する職員数は、本県より登録精度が高いと思われます宮城県などより少ないのが現状であります。本県の厳しい財政状況等から判断して、新たに職員の増員などの措置を講ずることは十分な検討が必要であると思います。
しかし、今後は、「愛知県がん対策推進計画」に基づき、より精度の高いがん登録事業となるよう、効率よく事業を進めている他県の例を参考にしながら、県がんセンターとそれを所管する病院事業庁などの関係機関と事業のあり方について検討してまいりたいと考えております。
また、登録の精度をあらわすDCO割合を少なくするための遡り調査への協力を県医師会や県病院協会などへ引き続き、お願いをしてまいります。さらに、生存率の計算に必要な住民票照会の実施について、個人情報保護などの観点から、県民生活部などの関係部局や市町村と協議してまいりたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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かけ声だけのがん撲滅先進県になれば、投票行動を通して県民が神田知事に託した期待を裏切ることになります。これまでも行政も議会も、がん対策といえば、ともすれば最先端の高額な診断・治療機器の導入といったハード面に目が向かいがちであったのは事実だと思います。 しかし、県内のがんの正確な実態把握に基づく目標の設定なしに、ただ新しい機器を追い求めるだけでは、県民の命をがんの脅威から守ることはできないことに、我々はいい加減に気付くべきであると考えます。 がん対策を支える情報インフラとしての県がん登録事業は、今回指摘したように人員、予算面で他府県に比べて人口規模から考えて愛知県はかなり見劣りすること、そのしわ寄せががんセンター研究所に行っていること、この事実について、まずは明確に問題意識を持ってもらいたいと思います。 そして、その体制の整備に向け、健康福祉部は病院事業庁、がんセンター研究所などと協議して優先的かつ具体的に取り組むよう、お願いしたいと思います。人員増等については、議会としても前向きに取り組んで行きたいと私は思っております。 また、愛知県が今年度策定するがん対策推進計画は、県民の関心が高いと思われるので、策定後の進捗状況は、愛知県がん登録資料等で評価し、その結果を県のホームページで適時公開するよう、あわせてお願いしたいと思います。 以上、神田知事のマニフェスト実現に向けた県のがん登録事業の体制整備について、健康福祉部はどのように進めるおつもりか、人員、予算、体制について再度見解を尋ねます。 |
【健康福祉部技監】
委員ご指摘のように、がん対策を進めるに当って、がん登録事業は極めて重要なものと認識しております。
今後も、より精度の高いがん登録事業となるよう、各医療機関への届出の勧奨、遡り調査や住民票照会の実施など、事業のあり方について、県がんセンターとそれを所管する病院事業庁、県民生活部などと検討してまいりたいと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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先の質問答弁と同様、あり方の検討は大いにやっていただきたい。その検討結果については、ぜひ報告していただきたい。 ただし、厳しい財政事情は分かるが、これを理由に小手先の検討しかしないのであれば、県民のがん対策への思いを結果的に踏みにじることになりかねないことを、ここにあらためて指摘しておきます。 次に、去る1月15日に、県ががんセンターの隣接地に誘致した民間の PET−CT検査診療所が開設し、運営を開始いたしました。私の方にも、この1か月間の状況は、非常によいとの評判が聞こえてきております。 そこで、少しおさらいになりますが、PET−CT検査診療所を誘致するにいたった経過、公募審査の状況について、まず、お伺いします。 |
【経営課長】
病院事業庁が誘致いたしましたPET−CT検査診療所につきまして、まず、誘致するに至った経過でございますが、PET−CT検査ががん診断に有用であることが広く知られ始めた、平成14年に遡ります。
当時、がんセンターでは、患者様にご負担をかけながら他の医療機関へこの検査を依頼している状況でありました。このため、平成17年度を目途に既存施設の改修により導入することを目指して、15年度から本格的な検討を始めました。
しかしながら、厳しい経営状況に置かれている病院事業にとって莫大な初期投資、ランニングコストなどの負担を考えますと、果たして県立病院で採算が取れるのかという問題や、装置を設置するに当っての省令等の施設基準が改正されたことに伴い、既存施設の改修では設置が困難となるなどの新たな問題が発生し、頭を痛めておりました。
こうした中で、16年9月の健康福祉委員会において、筒井委員から、がんセンターの隣接地に民間資金を括用したPET−CT検査診療所を誘致してはどうかとのご示唆をいただきました。このご示唆を機に、採算性や施設基準の問題を、併せて解決できる民間施設の誘致の可能性を検討し、結果として、直営による導入を断念した次第であります。
誘致の公募や審査につきましては、17年10月に、栗山康介名古屋第二赤十字病院名誉院長を始めとする学識経験者を交えた選定審査委員会を設置して、募集要項、選定方法、審査項目及び評価方法を検討いたしました。同年11月に公募したところ、医療法人名古屋放射線診断財団及び医療法人社団葵会の2者から応募がありました。
これらの応募を受け、委員会では、整備・運営計画の書面審査、応募された2事業者からの事業計画のプレゼンテーションを受けるなど、慎重に審査が進められました。
こうした審査の結果、18年3月、この2者のうち、医療法人名古屋放射線診断財団が優れているとして、PET−CT検査診療所の誘致事業者として決定されました。
この決定を踏まえて、同年9月にPET−CT検査診療所の整備運営等に関する基本協定を、10月にはがんセンターと当該法人がPET−CT検査診療所の共同利用の方法等についての共同利用契約を締結するなど事業の推進に取り組んでまいりました。
その後、順調に建設工事等も進み、去る1月15日に開設の運びとなった次第であります。
【筒井タカヤ委員】
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次に、このPET−CT検査診療所におけるPET−CT検査の利用状況について、がんセンターとの関係も含めて、お尋ねします。 |
【経営課長】
運営開始後のPET−CT検査の利用状況でございますが、がん健診を含めた総合健診では、1月が66件、2月が103件と聞いており、他の医療機関からの依頼検査も、1月が240件、2月が387件と大幅に伸びてきております。
このうち、特にがんセンターからの依頼については、1月が183件で全依頼検査の76.3パーセント、2月が239件で61.8パーセントを占め、共同利用契約で、優先的に設けた1日当たり15人の利用枠に見合う実績をあげております。まずは期待どおりの成果が得られた、順調なスタートであると考えているところであります。
こうした実績を積み重ねることで、将来的には、直接、検査データをがんセンターの放射線治療機器に取り込むなどの連携拡張も検討していくことも必要ではないかと考えております。
【筒井タカヤ委員】
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PET−CTがオープンするまでに、理解を求める意味も含めて県内の病院や研究所の医師に検査協力を依頼し、様々に試運転を行ってきたと聞きました。この最先端のがんの研究・治療に当ってこられた医師においても、2名のがんの疑いがあるというデータが出て治療に当たられておられます。 この機器の驚異的な精度であると認識するとともに、日々自分は大丈夫と思っていてもそうではないということがあらためて分かりました。 このPET−CT検査診療所の民間事業者の誘致に当っては、外山庁長の勇断があったればこそと、高く評価しております。 その外山庁長は、本年3月末をもって、任期4年が終了すると聞いております。病院事業庁の初代管理者として、この4年間、強力なリーダーシップ、経営手腕を発揮しながら、全力で病院事業の経営改善に取り組んでこられ、誠にご苦労様でありました。 外山庁長の功績は、事業庁の経営体質の強化に努力されたばかりでなく、厳しい経営状況の中でも勇気を持って、がんセンター中央病院へ全国で4番目となる強度変調放射線治療装置トモセラピーを導入するなど、常に医療環境の充実にも力を注いでこられました。 PET−CT検査診療所の民間事業者の誘致は、まさに経営改善と最先端の医療機器整備とのバランスを見事に計った舵取りの成果であると感じております。 本年度末で、病院事業庁長の職を終えられるに際して、これまで取り組んでこられた感想も含め、後進に送る言葉でも結構ですので、庁長から一言、ご発言をお願いいたします。 |
【病院事業庁長】
先ほどは山本委員から、この度は筒井委員から、発言をする機会をいただきまして、あらためて感謝申し上げます。
この健康福祉委員会は、引退されました高橋、河村両議員を始めとして、山本委員、日委員、筒井委員と議場の最後列に座っておられる重鎮が何時も委員としてご列席にいただき、我々も、身の引き締まる緊張感で臨んで来ました。先生方からは、いつも、私どもに、温かいエールで応援していただきまして、感謝いたしております。ありがとうございました。
この4年間の「経営改善行動計画」は、残念ながら、竜頭蛇尾で終わってしまいましたが、今後の課題といたしまして、外なる環境が如何に悪化しても、「県立病院の内なる環境・体質」を強化する必要があると考えております。それを具体化するには、やはり、「新しい運営理念」が必要です。
最近、総務省が策定いたしました「公立病院改革ガイドライン」の中には、「公立病院が果すべき役割」という項目で、「採算性等から民間病院では行い難い医療を提供」すること、また、「一般会計負担金の考え方」として、「病院が最大限の効率的運営を行なっても、なお不足する経費、例えば、給与など公営企業の性格上圧縮できない経費を負担し、経営黒字が達成される金額をきちんと出すべきである」と書いてあります。
第1の課題は、それからすると、我々がこれから考えるべき「新理念」は、例えば、先ほど答弁のありましたがんセンターのことも、これに合致していると思いますが、県立病院は、民間ではその先進性とか、採算性で問題のある医療を、必要な一般会計負担金を県から得て、病院事業庁が採算性のある事業として運営する」という理念、ミッションが必要ではないかと考えています。
そして、また、負担金の算出の方法については、私は9年間、具体的には、尾張病院で5年間、病院事業庁長になって4年間、一般会計負担金を固定してほしいと言ってきましたが、一般会計負担金の繰り出しルールを固定するという所までは来ましたが、そのルール自体を私は未だに理解できないところもあります。
やはり、これからは、負担金を算定するに当っては、その「透明性」、「合理性」、「客観性」が必要であり、それぞれの医療現場で理解できるような算出額でなければならない。例えば、他府県の類似病院との比較においても、それが耐え得る金額でなければならない。ということを強く感じております。
第2の課題としましては、県立病院が医師に魅力ある職場でなければならない。平成17年度公営企業年鑑では、愛知県立病院の医師の平均月収はワースト7位でございます。この改善が是非、必要であります。特に、部長クラスの優秀な医師をスカウトする場合に、採用条件、職級・給与に関する裁量権が必要です。
例えば、がんセンター中央病院で、非常に優秀な診療科の医師を院内の選考委員会にかける。その医師が40歳だとすると、彼を部長にすることはできますが、職級としては、課長級しか出せない。その医師は、がんセンター中央病院の部長は名誉である、又は、アカデミックに活躍できるからと我慢して、部長でありながら、課長級で来てくれる。そのようなことは避けなければならない。そして、他の病院の引き抜きからも耐え得るような給与の支給幅を庁長の裁量でできるということが必要です。
今、
私は、この4年間、毎日のように、「医は人なり」という教訓の重みを、ますます、身に感じておりまして、その尊い教訓を指針として、今後の人生に活かしていきたいと思っています。
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【筒井タカヤ委員】 私たちもまだまだ応えていかなければならないような課題もお話いただきました。愛知県の医療水準が不安定にならないように、病院事業の経営が不安定にならないようにがんばっていきたいと思います。 これまで当委員会のためにはりきって原稿を書いたり質問してきたりしてきましたが、庁長が退任されるにあたり寂しい気もいたします。 今後は毎年PET−CTをお受けになってがんに罹ってもがんセンターで手術を受けて治ったと言われるように、またがんにならないようにお願いをいたします。 |