令和7年6月議会 教育・スポーツ委員会 筒井タカヤ委員
教員の人事異動について
(議員質問)
公立高校における地域の人々との交流は、学校としても親交を深める中で、地域の人々が「この学校こそが私たちの街の学校である」とする絆が必要となります。
かつての旧制中学校から公立高校となった学校には、これまで支え合った伝統という母校愛が育まれていますが、戦後、生徒の急増により開校した公立学校には、そうした「絆」が少ないと思います。
更に、私立高校の多くは、教員から教頭、校長にと、勤務が永年にわたることから「これが、自分の母校なんだ」との想いが生まれ、同窓会(校友会)との交流の中で、生徒募集から始まり、様々な学校行事の支援に関わり、寄付金が寄せられるような原動力となっています。
公立高校では、ある周期での人事異動で教員、主任、教頭、校長も定期異動され、周囲との関係は「希薄」ではないでしょうか。
教員の希望によっては、ある一定期間、長く同じ学校で勤務できるとする、お考えについて質問します。
そこで伺います。
なぜこうも異動せねばならないのか、しているのでしょうか、お聞かせください。
(答弁要旨)
学校では教科ごとにベテランと若手をバランスよく配置する必要があります。
また、県立学校には、全日制・定時制・通信制といった課程や、普通科・職業学科といった学科など、様々な種類があり、多様な経験を積むことによって、より資質の高い教員へと成長していくことも期待できるため、これらを目的として人事異動を実施しています。
さらに、退職者が出て補充が必要であったり、家庭環境等の変化により本人が異動を希望したりすることもあり、人事異動を実施することで教員の希望をかなえる必要もあります。
人事異動に当たっては、事前に校長の意向や各校の実情を聴取するなど、よりよい学校運営ができるよう実施しているところです。
(議員質問)
公立校高校において、私立高校のように、同じ学校で教員、主任、教頭、校長となった「例」はありますか。
お聞かせください。
(答弁要旨)
教員の人事異動に際しては、「同一校勤務10年以上の者は、特別の事情のない限り、異動を行う。」と実施要領で定めています。
また、教頭任用の受審資格として「複数校の勤務経験を要する」ことを原則としています。
過去の管理職の経歴を全て把握はしていませんが、同一校内で教諭、主任、教頭、校長となった事例はほぼないものと認識しています。
(議員質問)
これまでですと、この学校に愛情、情熱を注いでも、どうせすぐ転任になると思っておられる教員も多いです。
教頭、校長は銀行の支店長、副支店長のようにお客さんとの利害関係は生じないこともあり、そんなに定期異動は必要がないのではないでしょうか。
当局の見解をお聞かせください。
(答弁要旨)
教頭は、複数の学校で多様な職務経験を積むことで、管理職としての資質の向上を図ることを重視して異動を行っています。
校長は、その職に就くのが役職定年である60歳に近いことが多く、1校のみの校長経験であることも多いですが、校長としてより力を発揮できるよう、過去の経験を生かし、学校ごとの特色や課題に対応した適材適所な配置を目指して人事異動を行うことがあります。