平成21年度
6月議会質問書
筒井タカヤ ○発言通告に従って「不適正な経理処理に関る職員からの返還金について」、さらに「愛知県民歌について」、ご質問致します。 まず始めに、不適正な経理処理に関る職員からの返還金について、お尋ね致します。 ○ 昨年と今年にかけて、一般会計決算特別委員会が合計で13回開催され、不適正経理問題に関する質疑も含めて、時間にして述べ39時間18分行われました。(私も、議会から委員に選任され、審議に加わり多いに議論した一人です。) 新聞やテレビ、ラジオ等のマスコミによって、「愛知県も疑惑に包まれた不正経理・裏金が発覚。」、との大見出しで報道がなされ、当時、一般会計決算特別委員会における審議は、広く県民の注目を集めました。 しかし、一般会計決算特別委員会において審査をし、審議を重ねれば重ねるほど、不正経理及び裏金というものではなく、ほとんどが「不適切な予算の執行」というべきものであると判明して参りました。 最大の原因は、これまでの県当局が、他の民間企業においては考えられない硬直した融通の利かない非効率な県予算の執行方法を行っていたことでした。 このこともあってか、不正経理に関ったとされる多くの県職員も、自分が不正な経理をしていたという認識はさらさらなく、必要不可欠な予算を円滑にするため行っているつもりだったのです。 愛知県はこれを機会に、これまでの予算執行に対する実態にそぐわないものを改善して施策を作って信頼の回復策を示しました。 愛知県議会における議論がまさしく大きな役割を果たして改善に向けた取り組みができたことを誇りに思っています。 先の議会において改革案に対する予算が承認され、この7月よりいよいよ実施されます。 これにより、愛知県においては不適正な予算の執行はなくなるでしょう。 しかし、正しく県予算を執行することのみを考え、一番大切なこと、緊急時の防災、急激な経済変化、治安維持等の大きな変化が生じた時、即対応できないような要素・危険性があることを指摘致します。 実施にあたっては、常に問題点を検証しながら執行していくことを忘れないで頂きたいと思います。 今後の県の執行を見守って参ります。 とは言え、知事が呼び掛けたような、「県職員は、不適正経理に直接関与していなかった県職員も含め全員が返還金を行うべき」というような性質のものであるとは私は現在も思っていません。 県職員のほとんどの人々は、自分自身が全く関与もしていない不正経理の問題処理(返還金)を支払う手法に多くの不満を持っており、その不満が解消されていないからです。 県職員の中でも、とりわけ県立病院で勤務する医師、看護師、薬剤師、さらには学校で勤務する教員の多くは、「なぜ自分が返還金を支払わなければいけないのか」を理解しないまま、知事の呼び掛けや、「どうやらこれは払わなければいけないもののようだ」という職場の空気に流され、この際、潔く皆にならって協力するか、と、返還金を支払った人も大勢おられます。 今、県財政は空前の破綻状況に至り、県職員も給料の削減をもやむなしと了承したばかりです。 この苦しい家計の中から、家族とも協議もして、協力下さった今回の返還金であるからこそ、きちんとした形の活用方法であって欲しいと全員が願っているのです。 ○ 一連の不適正経理に対する、県職員・OB職員による自主的な返還金の納付期日は7月末ですが、3月末をもって一たん締めを行ったと聞いております。 一応の締めから、既に2ヵ月半余り経過しました。 返還金についての集計が出ていると思います。 その結果を、この県議会を通じて広く県民に公表をしていただきたく、内容をお尋ね致します。 ○まず、3月末の段階での以下の点を明らかにしてください。 @県職員で返還金を納付する対象者の数 A返還金に協力くださった職員の数(又、それは全体の何%にあたるか) B返還金に協力くださったOB職員の数(同じく、全体の何%にあたるか) C返還金総額 D現役の県職員とOB職員の納付率 E総計金額で、目標金額に対する納付率 以上6点についてお答え下さい。 私が聞き及んでおります資料によれば、返還金の目標額は2億5,000万円と聞いております。 しかしながら、私の下に寄せられた県職員の方々の声を伺っておりますと、 相当数の職員の方々が返還金に応じられたのでは、と予想いたしております。当初の目標額よりも大幅に返還されているのではないでしょうか。 実際に返還された金額及び目標金額の2億5,000万円を見て、知事はどのような所見をお持ちか、お答え下さい。 又、知事から、返還金を納付された県職員・OB職員に対して協力いただいたことへの想いを語って下さい。 更に、未だ返還金を納付なき人には、7月末を期限としておりますので一層のご支援ご協力を求めることを、真心あるご自身の言葉でもって語って下さい。 (もちろん、その際には強制ではないということを明確におっしゃってください。) この議場での言葉は、インターネットによって配信され、録画もされています。 一人でも多くの人が知事の心情を理解する機会となってほしいとの想いからの私の発言です。ご自身の言葉で語っていただくことを、強くお願い致します。 返還金が、目標金額以上となった場合は、一般会計に組み入れると聞き及んでおります。私としましては、夢と希望と愛が形として残るよう、返還金の活用がなされることを願っております。 ○それが生かされる最善の方法として、具体的に2点程述べさせて頂きます。 (この提案は、私の元に若い県職員の複数の方から寄せられた意見です。) @愛知県の緑化政策支援 例として、愛・地球博公園一帯を挙げます。 旧愛知青少年公園、現在の愛・地球博公園の一帯は、戦後の混乱期は禿山でした。 この公園は、愛知県民一人一人の手によって復興いたしました。禿山を復活させるには、針葉樹が最も適しておりましたので、ほとんどの樹木が針葉樹でもって緑が復活しました。 しかし、まだ本来の自然の姿とはいえません。自然の姿に戻すには針葉樹を間引きして広葉樹を植樹するという行程が必要です。 返還金を利用して、森林公園や、愛・地球博公園も、本来の自然の姿に切り替える案も一つであろうと考えます。 県職員の手によって復活した森として後世の子供たちに語り継がれることを期待したいとの想いからの提言です。 A奨学資金として活用する支援 この100年に一度という不況下にあって、両親の失業や死亡等により、学業を続けることが困難になり、不本意ながら学業を断念した子どもたちは大勢いるでしょう。 学業を続けたいという子どもたちへの奨学資金を、愛知県職員の手によって協力・支援をするのも一つではないでしょうか。 今回の県職員の返還金が、夢を膨らませる愛知の復活・再生に向けたものとして大きく生かされることを願っています。 以上、今回の返還金について知事の所見を求めます。 ○(次に、愛知県民歌について質問します。) 昨年の9月議会におきまして、私は、県民歌について取り上げました。 愛知県民歌は、昭和25年に開催された第五回国民体育大会の時に作られたものです。 当時は敗戦直後の混乱期であります。 この歌が作られた時、県民の多くの人々には、再び郷土・愛知を力強く建設しようという熱い心がありました。 県民歌の歌詞には、一途に産業推進を目指し復興の心意気が感じられる内容の当時の雰囲気が色濃く表れています。 その燃えるような熱い心意気が反映されたのが今ある県民歌です。 とは言え、この県民歌がつくられてから、実に59年という歳月が流れております。 当初、県議会での質問を行うにあたり、私自身は、まるで「産業の振興と労働讃歌」のような愛知の県民歌は、今の時代にそぐわないのでは? という思いがありました。 新しい県民歌として、愛知の美しい自然と県民が触れ合う心の讃歌を作るのがいいんじゃないかなとの素朴な想いを感じていました。 実際に、お隣の静岡県では、平成2年に改めて、県民歌とは別にしずおか讃歌を作りました。自然を愛し、日本一の富士山を讃える内容も歌詞に入れてあります。そういう例もあるのです。 また、私が調査した限りの範囲では、ほとんどの他府県の県民歌は、それぞれ郷土の山河、自然を歌いあげているものが多いように感じました。 ○しかし、前回の本議場で質問した後、日本の経済の状況は大きく変化しました。 10月、11月、12月、そして今年に入って、世界的な大不況の影響が愛知県を直撃しております。 愛知の経済を支える産業構造は、物作り輸出依存型です。 世界の経済が回復しない限り、更に深刻な不況が続くであろうとさえ思われています。 今この状況になって、私は改めてこう思ったのです。 愛知県の素晴らしさ、強さの源は一体何か。 それは、第五回国民体育大会の頃から綿々と続いている「産業立県(すなわち力強い物作りへの飽くなき挑戦への風土)」だと、そう思ったのです。 やっぱり、愛知県はもっと確信と誇りを持って、愛知の「産業立県」という風土に今後も取り組むべきなのです。 愛知が持つ産業技術は、これからもずっと日本で一番であり続けたい。 世界を代表する物作り最先端の産業技術を誇れる県土は最高にすばらしいことなんだ。(豊かな県財政がなければ、充実した医療・福祉・教育、海や山、川を守ることも出来ないことを、私たちは、改めて今、知りました。) そう思い至りました。 ○つまり、この厳しい不況の下にあって、木曽川を背景とする緑豊かな濃尾平野、三河を取り巻く森林の山々、そして伊勢・三河の豊穣の海に恵まれた大自然を愛する魂と、物作りとを両立させる愛知こそが我が郷土であるという誇りを感じたのです。 そして愛知県民の風土である「物作り」の素晴らしさを再認識するに至ったのであります。 まさに今ある愛知県民歌の内容、歌詞共に、端的に県土の特徴を表現しております。 また、同時に私は、先人がこの歌にこめた熱い想いを感じました。 もう一度、今ある県民歌を通じて、広く愛知県民の心をひとつに作りあげ、県民歌を定着させたいと、強く、強く思うのです。 ○知事は、県民歌をどう捉えておられるのでしょうか? この歌が県民歌ですというきちんとした位置付けを真剣にしてください。 これは愛知の風土を理解し次世代にも愛知のおかれた立場を端的に示すことにもつながることなのです。 ○そもそも前回私がこの議場で主張したことは、知事であるあなたが指示すれば、県庁内ではすぐに対応できるものばかりですよ!(知事の所見を求めます。) まず、知事、副知事、部課長及び一般県職員も県民歌を歌えない状況を変えましょう。 @
現在の県庁の庁舎の朝は、お仕事が始まる前にラジオ体操を行い、その後、各部・局・課ごとの打ち合わせが始まっています。 であるならば、ラジオ体操のあとに、県民歌を、起立をして斉唱し、それが終わったら着席してお仕事に入るという流れにすることは実に簡単にできることです。 A
新年の仕事はじめには、県幹部が大講堂に集い、知事が一年の方針について語る式典をされています。 (県知事を始め県幹部の職員全員が一堂に会する場があります。) 何故ここで愛知県民歌を斉唱する企画ができないのですか。 私が申し上げているのは、民間企業ならば社長の一言ですぐに実行ができる内容ばかりです。 県庁の社長はあなたではないのですか。(知事の所見を求めます。) Bまた、県で行う各行事のパンフレットには必ず県民歌の歌詞と楽譜を印刷し、行事が開始となる前には愛知県民歌を流すようにすることは出来るはずです。 ほかにも、国体県選手団結式で斉唱する。 更に、本庁を含む県の出先機関のほか県が関連する施設は県民歌のCDを流す、もしくは、朝・昼休憩・退庁時等も実施するということをしていただきたい。 C団塊の世代の大量退職により、近年、多くの新規採用者(毎年約1200人)を採用しているので、その新規採用者に、レポートで「愛知県民歌から見る、あなたが思う郷土について述べてください」というものを提出させれば、さらに効果が出るでしょう。 ○去年の9月議会での私の質問後において、改善された点が数点あります。 @愛知県民歌が県庁ホームページで表示され、インターネットで歌も聞けるようになりました。 A愛知県職員録は、今年度版(平成21年度)に県のシンボルである県の花(カキツバタ)、県の木(ハナノキ)県の鳥(コノハズク)県の魚(クルマエビ)と県民歌(われらが愛知)の楽譜・歌詞(1番から3番)までは巻頭に掲示されると聞いています。昨年度版(平成20年)の県職員録は、P411の次、ページ数すらない末尾にあったことを考えれば、驚異的な最大級の取り扱いとしていただきました。 Bまた愛知県章(県のマーク)についても、県章のマークの下に意味の説明を書き入れるようです。(これで県章・県のマークに意味があることがすぐにわかるようになります。) これらの改善いただいたことは評価しています。 しかしながら、残念な点もあります。 せっかく聞けるようになった県民歌ですが、トップページからすぐ聞けるわけではありません。 本当に県民の間にも県民歌を浸透させたいという考えがあるとすれば、県庁のホームページを開くと同時に、きちんと制定されている県民歌が流れるようにしてほしいという声が数多く寄せられております。 この県民の声について、知事の所見を求めます。 この際まだ愛知県民歌を聞いたことがない人々も大勢おられると思いますので、ホームページから聞くことができる、わが愛知県の県民歌をぜひお聞きください。と、ここで県民歌のCDをと思いました。しかし、県議会の議場において、壇上からのテープレコーダー及びCDを流す前例がないとの理由で今回はお聞かせすることが出来ません。 せっかくなので、私が音楽抜きで堂々とこの議場で歌い上げます。 とは言っても、私自身、県民歌を歌われた、日本を代表する有名歌手の安西愛子さん、藤山一郎さんに負けず劣らず、という自信もありませんので、今回は県民歌の歌詞のみ実感を込めて再度読み上げます。 ―歌詞― 一 木曽の朝曇 陽に映えて 黒潮ゆたか 虹おどる 二 黄金波うつ みどり野に 湧く生産の ときの声 三 光あつまる 中京は 港もまねく 船の数 また、今回は歌詞だけでしか皆様にお伝えすることが出来ませんでしたが、実際にホームページで閲覧できる画面は、誠に残念なものであります。 インターネットから配信されるパソコンの画面は、愛知の自然を描写した風景は一切なし。藤山一郎さんが亡くなっていることもあり、まるで天国の冥界を連想させるような画面です。 これではまるで天国・冥界から届く「県民歌」のように思えてなりません。 なんとか工夫・改善できないものでしょうか。 愛知の美しい風景が使用された、情緒あるミュージック画面表示となるように作り直してください。 又、歌声も、もっと勢いのある、若い力を象徴する愛知県芸術大学の男性コーラス、女声コーラス、芸大フルバンドでもって演奏されるように改善ができませんか。 愛知県には、全国にその名を轟かせている、県民が誇る県芸大を前面に出して頂きたい。愛知県には愛知県立芸術大学という素晴らしい大学があるではないですか。 (知事の答弁を求めます。) ○又、総務部長にお尋ねします。 以前、長野県庁の代表電話では、待ち受け音楽として、長野県の県民歌「信濃の国」が流れる例をお話しました。 愛知県でも、同じように県庁電話の待ち受け音楽に県民歌を使用することが、なぜできないのですか。(総務部長の答弁をもとめます) ○教育長にお尋ねします。 前回の質問の折、私は、教育委員会に対し、小中学校、高等学校の授業において県民歌を教えることを求めました。教育委員会はどのように検討されましたか。(教育長の答弁を求めます。) 私は、教育現場においても、小中学校を含めた各所にも郷土を愛する心を育み、自分達が育った郷土について改めて想いを馳せる教育は必要であると確信しております。 県立学校で、卒業式、入学式、運動会等で音楽を流したり、参加者全員でもって県民歌を斉唱したりすることがなぜできないのですか? せめて、県内の中学校・高等学校、県立大および県立芸大の、吹奏楽部が要請があればいつでも県民歌を演奏できるような指導のお願いを愛知県から要請していただくことをお願いしたい。 特に、県立芸大の発表会では、県民歌の紹介・演奏をしていただけるようにお願いできませんか。 現在・制定されている愛知県民歌を若い世代に教え伝えることに何の支障があるのでしょうか?(これまでしてこなかった、今もしていないこと自体がどこかおかしいと思っている一人であります。) 学校教育でもって愛知県民歌を教え、伝えなくして県民歌が親しまれ愛されることは不可能であります。 (教育長及び知事の所見を求めます。) 甲子園に出場する高等学校には、母校の校歌と一緒に県民歌を演奏していただきたい旨の申し入れをお願いしました。 出場校の選手に、愛知県民の誇りを胸に戦ってもらいたいのです。 この春の甲子園出場校である中京大中京高校には県当局からの学校側に対して打診は一切なかったように聞いております。この夏の出場校が決まったら県民歌の件、演奏のお願いをしてくださいますか? ○前にもご提案しましたが、積極的に「県民歌」の歌詞にある愛知県民の県土の心意気をもっと広報してください。 ○再度、私は強く申し上げます。ここで「県民歌」について「2回」も取り上げて熱誠を込めて主張している本意は、ただ単に県民歌を歌う、歌わないということを言っているのではないのです。 愛知の「郷土の誇り」に対する再構築が必要なのだということです。 県民歌は、県が「県を象徴する歌」と制定したのです。 今あるその県民歌をどこぞへポイと放り出しておいて忘れ去られるような責任のない扱いをしておくことが正しいことなのか、今一度この意味をよくお考えください。 愛知の県民が県土を知り、心をひとつにして自然を愛せる。 そして物作りの愛知の素晴らしさを、次の世代にも伝えていく。 その原点が愛知県民歌にあると私は再度申し上げます。(知事の所見を求めます) 答弁にあたっては、担当のお役人が用意された答弁書を読み上げるだけのものではなく、もっとご自身の熱い気持ちを込めた、自分の言葉で誠実率直なご答弁を頂くことを求め、私の質問を終わります。 (以上) |
県民歌についての質問にお答えいたします。
まず、県民歌の位置付けでございますが、制定後数十年の歴史を持ち、当時の人々の希望や情熱等に思いをいたすことは意義あることでございます。
しかしながら、時の経過の中で、人々の価値観等は多様化し、音楽や歌に対する好みの変化も著しいものがございます。県民歌といったシンボルが求心力を持って人々を引きつけるということは、もはや困難な時代ではないかと思われます。
行政の役割は、県民の皆様の様々な考え、ニーズを的確に受け止める受け皿づくりにあります。そうした考え方に基づき、昨年の9月議会以降、ホームページ上で県民歌の音声情報を掲載するとともに、県内の図書館など132か所でCDの貸出を開始いたしました。
それを機に、職員に改めて県民歌の周知をいたしたところでございます。
また、県民歌のあり方について、おおまかな傾向を探るため、まず、県職員とその家族役180名に対して意識・意向の調査を実施いたしました。
さらに、その調査に併せて、他県に出向き意見交換を行うとともに、有識者へのヒアリングを行ってまいりました。
こうした一連の作業を進める中で、「懐かしいメロディがよかった」とか「県の行事で積極的に流す必要がある」という意見も一部ございましたが、「県民歌で県民の気運を高める時代ではない」とか「歌は強制であってはならない。聴きたい人が聴けるようにしたらどうか」「現代社会では県民歌が必要とされる場面が創造できない」といった消極的な受け止め方が多いことがわかってまいりました。
一方、ホームページ掲載以降、これまでの約半年間のアクセス状況を調べてみますと、愛知県の紹介コーナーにおける、項目別の1日あたりの平均件数が、産業で25.3件、歴史で22件あるのに比べ、県民歌は8.9件でございます。
また、132か所でのCDの貸出は、半年間で延べ15件の実績でございました。
今年度も引き続き県民の皆様の意向、ニーズ等の把握に努めてまいりますけれども、以上のような状況からみますと、現時点では、県民の皆様から県民歌に対する強い意思が示されるまでには至っていないと分析をしているところであります。
したがいまして、朝のラジオ体操後や仕事始め式での斉唱、その他県の行事や県関連施設で県民歌を流すこと、また、県立芸大の学生によるコーラスやフルバンドの活用や、甲子園出場校への演奏依頼といった具体的なご提案をいただきましたが、現時点で申し上げれば、その機は熟していないのではないかと考えております。
新規採用職員への対応についてでございますが、新しく県職員となった人に、県民歌を認識してもらうことは必要と考えますので、まずは新規採用職員研修等において、この歌の存在を周知するなんらかできないかどうか検討してみたいと思います。
また、ホームページを開くと同時に県民歌が流れるようにしてはどうかとのご提案につきましては、ホームページをご覧になる方の考え方や目的も様々でございますので、一方的に県民歌を流すようなページ作りが必ずしも適当とは思われません。
県民歌が流れる画面表示の背景につきましてもご指摘をいただきましたが、大半の県と同様、既存の一般的な内蔵ソフトを使用いたしておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
【教育長答弁要旨】
県民歌についてお答えいたします。
児童生徒に我が国と郷土を愛する心を育てることは、教育基本法にも明示されているところではありますが、学校教育の大切な目標であるととらえております。
国や郷土を愛する心を育てるための歌としましては、国家、県民歌、そして、市町村によっては市町村歌などがあり、児童生徒の最も身近なところに高価があるわけであります。
現在、本県の全ての公立学校においては、主な学校行事の際に必ず歌っておりますのは、国家と校歌であります。
また、国体県選手団結成式では、国家と国体大会歌であります「若い力」、これを歌っております。
お示しの県民歌についてでありますが、保護者や地域住民の方をはじめ、多くの県民の方に愛着や親しみを持って歌われることが大切であると考えております。
したがいまして、今後、学校現場における指導につきましては、県全体でどう取り組んでいくかとも関連しますので、引き続き関係部局とも相談してまいりたいと存じます。
また、国体県選手団結成式での斉唱や甲子園出場校に対して県民歌を演奏することの依頼につきましても、ただ今お答えいたしましたように、県全体の取扱いの中で検討すべきものと考えております。
(総務部長答弁要旨)
愛知県民歌に関するお尋ねのうち、県庁代表電話の待ち受け音楽に県民歌を使用することについて、お答えいたします。
電話交換業務で求められておりますのは、できるだけ早く、ご依頼の課室へ正確におつなぎすることだと考えております。
現在、代表電話にかかりました通話は、おおむね10秒以内に約80パーセントを接続しているところであります。
しかし、中には接続に少し時間を要することもありますので、その場合には交換機に内蔵されております一般的な局である「峠の我が家」を保留音として流しております。
また本県は県民サービスの向上を図る観点から、直接各課室の内線電話につながるダイヤルイン方式を平成14年度から取り入れた結果、代表電話の利用は、年々減少し、平成20年度においては、14パーセント程度となっております。
ただいま申し上げましたように、代表電話の利用が減少していること、待ち受け時間もきわめて短縮されていること、さらには代表電話の交換機には内蔵された曲がありますことから、あえて、費用をかけて保留音を変更することについては、消極に考えております。
不適正経理に係る職員からの返還金についての答弁要旨
(総務部長 答弁要旨)
不適正な経理処理に係る職員からの返還金についてのお尋ねのうち、3月末段階での返還状況についてお答えいたします。
なお、返還金の中には匿名の入金があり、また、途中段階での集計でもありますことから、概数でお答えいたしますことを、ご了承願います。
まず、人数に関するお尋ねですが、協力依頼をしました現職の職員数は2万3千5百人でございまして、うち、3月末までに協力をいただけたのは1万2千人で、全体の約半数(51%)となります。また、協力胃リアをしましたOB職員数は5千7百人でございまして、うち、3月末までに協力をいただけたのは1千6百人で、全体の3割(28%)にあたります。
次に、返還金の額についてですが、3月末における返還額は、総額で3億9千7百万円でございまして、目標として2億5千万円に対する納付率は159%でございます。このうち、現職からは3億4千6百万円の返還があり、2億2千5百万円の目標に多雨する納付率は154%、またOB職員からは5千万円の返還があり、2千5百万円の目標に対する納付率は200%でございます。
なお、5月末の返還金総額は、4億1千3百万円となっております。
(知事答弁要旨)
不適正経理問題について、私からも、お答えを申し上げたいと思います。
この不適正経理問題は愛知県にとりまして大きな禍根を残す結果になりました。議会の皆様方はもとよりのこと、県民の信頼を大きく損なう、非常に残念なことでございました。私どもは、一日も早く信頼回復を遂げ、そして、与えられた課題をしっかり取り組んでいくことが必要であります。そのためには、この不適正経理で返還すべき金額をきちんと実行していくことが何よりも大切なことと考えております。
今回の問題は大変長期間にわたり、全庁的、組織的な問題でもありましたので、その返還につきましては、広く職員に返還を求めてきたものであります。また、OBの皆様方にもご協力を要請いたしました。その結果、先ほど答弁で申し上げましたとおり、3月末までの約1ヶ月間で、返還すべき2億5千万円を大きく上回る約4億円弱の返還をいただいたところでございます。この実績は県職員及びOBの皆様の県政への真摯な気持ちの表れだと思っております。実行するにあたっては、どれほど強力を得られるだろうか、協力してくれるだろうか、集まるだろうか、大変心配しながら進んだものでございますけれども、予想以上にたくさんの返還努力をしていただいた職員、OBの皆様に敬意を表したいと思っております。
さて、目標金額を肥えた返還金の活用についてでございますが、基本的には必要経費を除いた全額を一般会計へ入れるという考えであります。
その使い道でございますが、議員からは、緑化政策や奨学資金に特化して使用したらどうか、というご提案をいただきました。これも一つのご見識と存じますが、しかし、幅広くご理解をいただいて今回の不適正経理問題の解決に向けて一歩ずつ進んできた経過を考えますと、私は広く有効に活用するのが、最もその目的に達するのではないだろうかと思っております。これから、具体に、県政各般にわたって有効な活用はなんだろうかということを頭に置きながら検討してまいりたいと思っている次第でございます。
冒頭に申し上げたとおり、大変県政にとってつらく、困難な問題でありました。すべてが解決したとは思っておりません。むしろ、これから県職員がどのような姿勢と対応が可能なのか、私自身それに大してきちんと指導力を発揮できるかどうか、そういうところに対してきちんと指導力を発揮できるかどうか、そういうところにこれからの課題があろうかと思っております。二度とこの問題を起こさないよう、これからもひたすら努力することをお約束申し上げ、私からの答弁といたします。