平成19年:愛知県議会  平成19

      健康福祉常任委員会    1211

 

 

【筒井タカヤ委員】

愛知県に身体障害者補助犬を使用している方が何名いて、県はこの数を全国と比較してどのように認識しているのか。また、県内の補助犬の訓練事業者をどのように把握しているのか。

 

【障害福祉課主幹(地域生活支援)】

県内の補助犬使用者数は、盲導犬が33人、介助犬が2人で、聴導犬を使用している方はいない。全国的には、盲導犬が965人、介助犬が39人、聴導犬が13人であり、盲導犬に比べ、介助犬・聴導犬の使用者数が少なく本県も同様な状況である。

 

訓練事業者として盲導犬については、県内に財団法人中部盲導犬協会があるが、介助犬・聴導犬については、現在のところ県内で訓練を行っている事業者はない。

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

県は介助犬の有効性についてどのように考えているのか。また、障害者に対する情報普及についてどのように考えているのか。

 

【障害福祉課主幹(地域生活支援)】

介助犬の有効性については、肢体に障害のある方の日常生活での不自由さを軽減するとともに、外出への意欲が出たり、精神的な安らぎを得たりすることにより、その方の生活の質の向上につながることだと考えている。

 

情報普及については、厚生労働省作成のパンフレットなどを配布したり、障害福祉課のホームページで身体障害者補助犬の紹介などを行っており、今後とも情報提供やPRの充実に努めていきたい。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

日本介助犬協会が建設を計画している介助犬訓練施設について、県に財政的支援の要請があると聞いているが、どのような支援を考えているのか。

 

【障害福祉課主幹(地域生活支援)】

今回の介助犬訓練施設が整備されることにより、介助犬の普及促進や利用希望者の利便が図られることから財政状況が大変厳しい時期だが、県としてもできる限り支援していきたい。

 

 

 

 

筒井タカヤ委員】

介助犬は、障害者の自立と社会参加を促進する有効な手段であるため、介助犬訓練施設の整備への支援と普及啓発にしっかり取り組むよう要望する。

 

次に、コンタクトレンズの購入希望者を専門的に検査する眼科診療所で、診療報酬の不正請求が全国的に横行しているという疑いがあるという新聞報道があった。コンタクトレンズは愛用者も多く、しかもインターネットなどでも簡単に手に入るようになった。使い捨てのものも多く、手軽に利用されている。

 

しかし、目に直接触れるものであり、眼科医の定期的な検査を受けるなどの必要性があるが、なかなか受診しない方もあり、目に重大な障害を残すおそれも指摘されている。

 

このような中で、コンタクトレンズ店に併設された、いわゆるコンタクト診療所では、医師である管理者が勤務していないことや検査を無資格者に行わせているとの指摘もある。

コンタクトを正しく使う上では、医師の指導はかかせないものであるが、こうした診療所に対して県はどのような指導をしているのか伺う。

 

【医務国保課主幹(医務・医療指導)】

いわゆるコンタクト診療所の管理者と無資格者についてであるが、厚生労働省からも医療機関への立入検査実施方針の中で「コンタクトレンズ販売店と業務委託契約を結んでいる、いわゆるコンタクト診療所の管理者が診療にほとんどかかわらず、無資格者が検眼やコンタクトレンズの装着指導等の医療行為を行っているとの指摘があることから、管理者の勤務実態等について確認した上で、無資格者による医療行為は違法であることを指導する」という通知がされている。

 

こうした指針を受け、県の立入検査実施方針にも同様な項目を入れている。県所管の保健所では、定期的に行っている立入検査の際に、この方針に基づいて、管理者の出勤簿等で勤務実態を確認するなどして、不適切な例がないよう指導しているところである。

 

また、この他にも無資格者が検眼等を行っているというような情報提供があれば、保健所が定期外、臨時に立入検査を行って確認し、指導することとしている。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

障害者の方々に公安委員会から発行されている駐車禁止・時間制限駐車区間除外指定車標章、いわゆる障害者の方々が現に使用している車について、駐車禁止の場所でも駐車できるA4半分ぐらいの大きさの許可証について伺う。

 

本年10月1日より、愛知県道路交通法施行細則が改正され、これまでは障害者の方々が使用する特定された車に対して発行されていた許可証が、障害者の利便に配慮して、障害者個人に対して発行されるものに改善された。簡単に言うと、障害者の方1人に対して、その方が乗る車すべて許可の対象にされるようになった。

 

しかしながら、許可証の表示がこれまでの「駐車禁止除外指定車」と記載表示されていたものが「車」から「人」に許可が変更されたことに伴って「歩行困難者使用中」と大きく記載されるようになったことから、外見上では歩行困難と分かりにくい、特に内部障害者の方々が、周囲の方から「歩行ができるのになぜ許可証を持っているのか。」と言われ、大変不快な思いをしているという声を聞く。

 

更には、その許可証の中に記載される「車両番号」の表示が、これまでより大きく目立つようになったため、せっかく表示された車両番号以外でも許可証が活用できるにもかかわらず、記載された車両番号以外だから「不正使用ではないか。」と言われ、説明してもなかなか理解してもらえないことがあると言うことの苦情が寄せられている。

 

こうしたことから、従来の許可証の方が使いやすいとの声もある。障害者の社会参加が促進される良い制度改正が、このような使いにくい一面のある制度になってしまい、早急に改善していかなければならないと考えている。

 

そこで、まず、このような使いにくい実態があることについてどう考えているのか。また、この制度を改善することについての考えを伺う。

 

【障害福祉課長】

今回の道路交通法施行細則の改正によって、障害者の方々が使用することができる車の対象が拡大され、社会参加の促進により有効な制度になった。

 

しかしながら、障害者の方々が許可証を使用する上で、一般県民の誤解により不快な思いをしているという実態があるとすれば、真に残念なことである。

 

障害のある方々が障害のない方々と同じように生活をし、活動する社会を目指す「ノーマライゼーション」の理念のもと、障害者の社会参加は非常に大切なことである。それを進めるためにはスロープや点字ブロックなどのハード面の整備だけではなく、障害者の方々に対する県民の理解が必要である。

 

障害者の中でも、特に内部障害者の方々は、外見では分からないために、周囲の理解が得られないなど、心理的なストレスを受けやすいのではないかと考える。今回の事案についても、障害者に対する理解がないことが原因としてあると思うので、今後も広く県民の皆様にも障害のある方への理解を深めていただくため、普及啓発事業のより一層の推進をしっかりと行っていきたい。

 

また、このような実態については、早急に障害者関係団体から意見を聞き、制度を所管する警察本部に情報提供するなど、使いやすい有効な制度となるよう努めていきたいと考えている。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

最近では街中で、車いすマークのある駐車スペースが設置されるようになってきた。やはりここでも、内部障害者の方々が車を止めると「車いすを使わないのに、なぜここに駐車するのか。」と言われ、周囲の方々とトラブルが生じていると聞いている。

 

そこで伺うが、車いすマークのある駐車スペースは、確かにもともと車いす使用者専用の駐車スペースだと思うが、車いすの方々のみではなく、心臓や呼吸器などの内臓機能に障害のある内部障害者の方々にも、広く使用できるように配慮した駐車スペースであるべきと思うがどうか。

 

【障害福祉課長】

車いすマークのある駐車スペースについては「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」によって、その設置要件・規格等が定められている。

目的は「自動車は、高齢者や障害者等が自由に移動を行うための重要な手段であり、その移動手段を確保するために、特に車いす使用者が自動車に円滑に乗り降りできるよう配慮するため」である。

 

しかしながら、車いす使用者用としていても、その使用の運用については各施設の判断で良いと考えているので、内部障害者の方々や、さらにはお年寄り、妊産婦の方々にも利用してもらうことが良いのではないかと考える。

 

県庁や愛知芸術文化センターなどの県の関係機関においても、そのような趣旨で、車いす使用者用駐車スペースに、車いすの方はもちろんのこと内部障害者、更には妊産婦の方々にも利用できるように表示をしているところである。

 

また、障害者の方々が利用する車に貼るマークには、「車いすマーク」の他に、肢体不自由者の方が運転する車に貼る「四つ葉マーク」がある。こうしたマークによる表示も有効ではないかと考えている。いずれにしろ今後も、車いすマークのある駐車スペースの使用について、障害者関係団体からも意見を聞き、より一層、障害者の方々が安心して外出し、使用できる駐車スペースとなるよう努めていきたいと考えている。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

今の四つ葉マークの話は、大変に良い考えだと思う。県の施設だとか愛知芸術文化センターなどにおいて、車いす駐車だけではなく、高齢者だとか内部障害者も利用できるという規定はある。

ところがそこには、今の四つ葉マークはないので標記するならば文書の横に車いすのマークと同時に四つ葉マーク等も標記し、四つ葉マークも障害者のマークだということが、さらに周知徹底されて、駐車スペースが確保できるような配慮を今後とも行うことを強く要望する。

 

次に、今回配布された「平成18年度愛知県病院事業報告」を見たが、「働く者が報われる職場創りへの取組」に認定看護師資格取得の支援があり、病院事業庁においては計画的な人材育成に努められていることが良く理解ができた。

高度・安心・安全な医療の提供を目指し実践されている病院事業庁が、こうした人材育成に積極的に取り組まれていることは大いに評価するものである。

 

しかしながら、看護師不足が叫ばれる中で優秀な看護師を求める医療機関は多く、病院事業庁が一生懸命に認定看護師の養成を進めていっても、職員のやる気を高めるような処遇が不十分では、資格を取得した職員も県立病院から流出してしまう恐れがあり、せっかくの取組の努力や投資も無駄なものとなりかねない。

 

そこで、病院事業庁として認定看護師資格を取得した職員に対してどのような処遇を講じているのか、あるいは講じようとしているのか、その考えを示してほしい。

 

【管理課主幹(人事・労務)】

特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有することを認められ、水準の高い看護実践を通して看護師に対する指導・相談活動を行う認定看護師については、年々高度化する医療に対応していくため、また、高度・良質な看護を提供していくために欠かせないものと考えている。

 

このため、病院事業庁においては、認定資格の取得に対して経費負担等をする人材養成事業として、平成17年度からスキルアップ事業を展開し、計画的な人材養成を図ってきている。
 これまでに14名が認定看護師資格を取得した。

 

また、現在8名が取得を目指している現状である。認定看護師の資格を有する職員については、今後の病院看護部を背負って立つ優秀な人材であるので、登用する際の判断要素として日ごろの仕事ぶりを基本としつつ認定看護師資格についても重要な要素の一つとして位置付け、積極的な登用に努めて処遇を図っているところである。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

処遇はしっかり行うことを要望する。

次に、資格を取得した看護師を患者からも分かりやすい配慮をしてもらう必要があるのではないかと考えている。優れた看護技術と知識を有する認定看護師から掛けられる言葉は、患者の立場にとって随分重みがあるし、患者にとって認定看護師資格を持った看護師と分かりやすくする工夫は意義があると思う。また、看護師自身も認定看護師として、よりプライドを持って看護業務に励むという効果もあると思う。

 

そこで提案だが、認定のバッヂ以外にもネームプレートに「認定看護師」を表示するような工夫・改善を検討してほしいと思うがどうか。

 

【管理課主幹(人事・労務)】

認定看護師資格取得に伴う表示の問題だが、資格を取得すると認定団体である日本看護協会から認定証と併せて認定バッヂが送られてくる。

県立病院の認定看護師もこの認定バッヂを襟に付けて勤務をしているところである。また、指摘のとおりバッヂだけでは分かりづらい面もある。現在ネームプレートにも認定看護師の表示を行なっているが、患者から分かりやすいように工夫をしていきたいと考えている。例えば、色を変えるような工夫を検討していきたいと考えている。

 

なお、平成19年4月の医療法改正により、認定看護師のいる病院は対外的に広告することが可能となったので、ホームページにその旨を掲載しているが、病院を訪れる患者にも分かりやすくするような院内の掲示についても併せて検討していきたい。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

がんセンター中央病院における「がん診療機能の充実・強化」に関して、先般、病院事業庁は、平成18年度における取組やその成果をまとめた冊子「平成18年度愛知県病院事業報告」を発行した。

この報告を見ると、「高度・安心・安全な医療への取組」の中で、本県が「新しい政策指針」で掲げている「がん克服フロンティアあいちの推進」の取組として、がん克服戦略上の重点に位置づけられているがんセンター中央病院でのテーラーメード医療と、がんのピンポイント攻撃のことが取り上げられている。

いわゆるテーラーメード医療とは、遺伝子診断によって個人の体質の差異を把握して、疾病予防、薬剤の有効性や副作用を予測して医療を行うものであり、また、ピンポイント攻撃とは、がんの病巣を標的にして抗がん剤や放射線で狙い撃つことにより、その効果を高める治療方法のことである。

この最先端の医療の中でも、特に注目しているのはピンポイント攻撃の治療手段の一つとして全国でも限られた病院にしか導入されていないがんセンター中央病院に導入された最新鋭の放射線治療装置トモセラピーである。

 

このトモセラピーは、通常の放射線治療装置に比べて放射線の集中性が高く、がんの患部だけに限って治療できると聞いているが、通常の放射線治療装置との機能の違いなどを織り交ぜながら、トモセラピーの特徴を聞かせてほしい。

 

【経営課長】

トモセラピーは、厚生労働大臣により「先進医療技術」として承認された強度変調放射線治療の専用機のことである。

コンピューター断層撮影装置いわゆるCTと、放射線治療装置であるリニアックを一体化させた機械で、病巣の位置の割り出しと治療が同じ機械でできるので、放射線の照射位置を正確に設定することができる。

 

また、放射線の照射口を形成する小さな鉛ブロックを開閉して線量に濃淡を付けることができるとともに、色々な方向から照射し、合成することによって、結果的に放射線の分布について、従来の面で攻撃する放射線治療を改善し、病巣に対して点で攻撃する。まさにピンポイントで集中照射できる特徴を持っている。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

放射線治療は、手術・化学療法と並んでがん治療の3本柱の一つとされていることは承知のとおりであるが、手術などのテクニックと異なり、医療機器の開発技術は日進月歩であることなどをかんがみると、今後更に、がん治療の有効な手段となりうる可能性を秘めていると考える。

 

そこで、このようなトモセラピーの有効性について、ますます期待を高めているが、どのようながん治療に対して使われるのか。また、医療を受ける側である患者にとって、どのような利点があるのか。

 

【経営課長】

トモセラピーの治療対象となる疾患であるが、手術の場合、複雑な解剖を必要とする頭けい部がん、また、放射線治療の場合でも、臓器の位置から、直腸・ぼうこうを避けて照射する必要のある前立腺がんなどである。

 

 患者にとっての利点については、ピンポイントで照射できるので、病巣の周囲の正常な組織に与えるダメージが少ないこと、放射線治療であるのでメスを入れる手術と比べて患者の体への負担が少ないこと、それから、1回の治療が準備も含めて25分前後の短時間で済むこと、更に、入院の必要がなく通院で治療できることなどである。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

トモセラピーによる治療は、患者にとって大きなメリットがある訳であるが、がんセンター中央病院にいつ設置されて、どれくらい利用されているのか。

また、費用はどのようになっているのか。

 

【経営課長】

トモセラピーは、がんセンター中央病院に平成18年3月に設置して、6月から稼動している。利用の状況については、前立腺がんは月に5人前後、また、頭けい部がんでは月に3から4人ほどの患者が治療を受けている。

 

この数字については、少ないように受け止められるかと思うが、前立腺がんの場合、1人当たり平均39回照射されている。また、頭けい部がんの場合は平均30回照射されている。

 

次に、トモセラピーに係る費用であるが、先進医療技術に係る費用は全額自己負担となり、その他の放射線治療管理料、照射料、診察料、投薬、処置等の費用は保険給付の対象となる。このうち先進医療技術の自己負担分については、一連の治療に対し、前立腺がんは891,000円、頭けい部がんは761,000円である。

 

ちなみに、参考までにこの料金を平均的な照射回数で割り返した治療1回当たりに換算すると、前立腺がんの場合は2万2,000余円、頭けい部がんでは2万5,000余円となる。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

この最新鋭の放射線がん治療装置は日本に何台あり、また愛知県に何台あるのか。

 

【経営課長】

トモセラピーの国内の設置の状況であるが、新聞の記事によると8台である。県内においては、がんセンター中央病院と第二赤十字病院という情報である。

 

 

 

 

筒井タカヤ委員】

このような最新鋭の機器が我々のがんセンターにあるということを、他の病院にも患者にも、もっと広報する必要性があると思う。

先般、私たちは重粒子の視察をしたが、少しばかり知識があるものにとっても、放射線治療と重粒子治療の違いを明確に理解している訳ではない。そういったこともあり、現在の放射線トモセラピーの有効性を説くと同時に、これから建設される重粒子施設についても機器の違い、高度医療の違いを分かるようにすることを要望する。

 

トモセラピーについて、理解を深めるための議論を示してもらった。日本人のがんの状況が欧米型の傾向を示していること、また、高齢化が進む中、手術や化学療法に比べ、患者にとって身体的負担の少ないことなどから、今後、放射線治療に対する需要も高まることが予想される。

このような状況の下、前立腺がんや頭けい部がんなどに対して、患者への負担を軽減しながら、ピンポイントで治療できる最先端の治療技術であるトモセラピーの活躍にますます期待を寄せたいと思っている。

 

がんセンター中央病院における利用状況を先ほど聞いたところ、稼動してまだ日が浅いということもあるが、もう少し利用が進めばという思いを抱いている。トモセラピーの有効性についてもっと情報発信してもらうこと、また、知事が進めている「がん克服フロンティアあいちの推進」の一翼を更に担っていくことを要望する。

 

次に先日、新聞紙上で「全国がんセンター協議会」の加盟施設の施設ごとのがんの5年生存率が、胃がん、肺がん、乳がん、大腸がんの4つについて発表された。今回の発表に当たっては、がんセンター協議会加盟の30施設のうち、がんの種類ごとに18施設から11施設までを、基準に合致するとして公表されたものである。

本県のがんセンター中央病院を含む19施設から12施設については、公表基準を満たさないとされたものである。委員各位も知っていることと思うが、がんにはその進行度合いを1期から4期の病期として分けている。もちろん、早期の1期は治りやすく、後期の4期は治癒しにくいこととなる。

 

全病期を合わせた単純な統計数字としての5年生存率が各病院の能力を示すかについては、大いに疑問のあるところであるし、そのような新聞の論調もあった。しかし今後、各病期も含めて5年生存率を公表していくことは、各病院の地域での役割、例えば早期医療を中心とするか後期患者の対応を期待されるかなどの違いがあるものの、治療成績向上のためのひとつの目安となるものと考える。

 

今回発表されたデータは、調査時点の5年前、すなわち平成11年に初めてがんと診断された方のデータである。新聞で報道された中に、本県がんセンターのデータがないというのも寂しいものがある。

 

そこで、今回の公表基準には達しないかもしれないが、胃がんを始めとする4種類について、がんセンター中央病院には、今回の公表データに準ずるデータはないのか。もしあれば、ここで発表するとともに5年生存率としては、新聞で公表された施設中何位に相当するかも教えてほしい。

 

【管理課長】

がんセンターの5年生存率についてだが、分析研究中のデータ提供と考えていたので、今回の公表は、突然のことであり驚いた。次回の発表においては、公表対象施設となることができるものと確信している。

 

次に、今回、公表された平成11年の患者についての5年生存率であるが、本県がんセンター中央病院では、胃がんについては70.4パーセントで、公表された18施設中9位に相当する。

 

肺がんについては36.1パーセントで15施設中9位、乳がんについては92.2パーセントで11施設中2位、大腸がんについては76.5パーセントで12施設中5位である。

 

こうした単純な生存率で直ちに治療能力の優劣を評価することができないことは、指摘のとおりである。今後、5年生存率について公表されるとすれば、例えば病期も考慮した修正生存率のような考え方が併せて示されることを期待するものである。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

周産期医療について伺う。朝日新聞で市立半田病院「搬送妊婦受入れ休止」「周産期拠点、医師足りず」「知多地域名古屋頼りに」と紙面に大きく書かれていて、大変危機的な不安がわき上がった。

 

今まで、県の周産期母子医療センターのシステムは、よく運営されていると認識していたが、この報道では「大丈夫ではない」「崩壊してしまった」と取れてしまう。実際の現状はどうか。

 

【児童家庭課主幹(母子家庭)】

市立半田市民病院は、平成19年度当初は、産婦人科医師5人(男性2人、女性3人)体制で産科医療を行っていた。その後7月に1人の女性医師が産休に入り4人体制となり、更に、11月初旬から、もう1人の女性医師が妊娠され、体調を崩したため、急きょ休暇に入り産科は3人体制という状況になった。

 

このため、外来、入院ともに3人の医師で対応することになり、ハイリスクの妊婦が診療所等から急きょ搬送されて来た場合、対応が困難になってきたため、このハイリスク妊婦の受入れを制限することになった。

 

新聞報道されたハイリスクの妊婦搬送受入れの全面休止ということではなく、例えば昼間等での受入れができる場合には、極力対応することとしている。通常の産科においては、現在も3人の医師で対応している。また、制限が始まった11月にも、2名の妊婦を緊急受入れをしている。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

休止ではなく制限だということが分かり、ほっとすると同時に新聞記事の報道内容を疑問に思う。

休止とは活動が止まること、やめることを意味するものである。新聞紙上の搬送受入れ休止という文字がありましたが、現状は違うということがはっきり分かった。

 

先日、私の知人の産婦人科医師から愛知県は「大丈夫か」と心配する電話が入ったほどの記事であった。専門家でも「大丈夫か」と思うほどなのだから、新聞報道された内容の大見出しの記事を読めば、知多地域の住民の方が大変不安を感じたと思う。

 

また、名古屋地区においても、大量の知多半島の患者が押し寄せて名古屋地区の医療体制が崩壊するのではないかと不安を感じた人もあったことだと思う。不安をあおり立てるだけではなく、真実に基づいた報道が大切であると強く感じた。

 

今まで半田病院に来ていたハイリスク妊婦は、どのくらいいたのか。また、今の体制では、知多医療圏のハイリスク妊婦が、名古屋にばかり搬送されているように思うが、実際はどうなのか。

 

【児童家庭課主幹(母子家庭)】

半田病院において、地域のハイリスク妊婦の緊急母体搬送を受け入れた状況は実績報告から17年度32名、18年度34名であり、平成19年度の4月から10月までは19名の受入れをしている。

 

 名古屋にばかり搬送されるのではないかとの質問であるが、半田病院で受入れできない場合は、県の周産期医療システムにより、他の周産期母子医療センターに搬送する体制が整備されており、今後もこのシステムを活用して対応される。

 

医師5人体制の時でも極小の未熟児など、半田病院で受入れの難しい場合には、名古屋第一赤十字病院、安城更生病院、名古屋大学医学部附属病院などに受入れを依頼している。また、受入れができる昼間等は、極力受入れをするということで対応している。

 

 なお、半田病院では、地域住民の方への影響に配慮し、地域医師会や地域の病院、診療所、地域の消防に協力を依頼している。1116日に開催された第2回周産期医療協議会においても、半田病院の石田産婦人科総括部長より、ハイリスク分娩の制限の報告と協力の依頼があった。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

新聞記事には「知多地域、名古屋頼りに」とあったので、名古屋医療関係者や住民にも緊張が走ったと先程、述べましたが、実際には、県のハイリスク妊婦を受け入れる周産期母子医療センターのシステムを活用し、知多地域のハイリスク妊婦が安心・安全な医療が提供されるよう努力されていることがはっきり理解が出来ました。

それでは今後、半田病院は地域周産期母子医療センターとしてどのようになるのか。

 

【児童家庭課主幹(母子家庭)】

現在の3人の医師体制では、ハイリスク分娩の制限ということになるので、半田病院においては、早い時期の再開を目指し、医師派遣をしている名古屋大学医学部にお願いをしているところと聞いている。なお、センターの指定については、受入れを制限している状況であるので、当面取り消すことは考えていない。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

再度の説明を聞いて、新聞紙上で報道なされたような深刻な現状ではないことが理解出来ました。県に対し、朝日新聞側から事実の確認はなかったようです。

このように事実と大きく違う内容の報道は、県民全体に大きな不安を与えただけです。いまだにこの記事を真実と理解している県民も多いのではと心配します。このように、あらぬ県民の不安を解消するために、県として、記事の訂正を求めなければいけないのではないか。

 

【児童家庭課主幹(母子家庭)】

今回の記事は、半田病院での取材により掲載されたものと思われる。半田病院は、取材と記事の食い違いがあったことから12月4日の市議会全員協議会の場で、取材に来ていた報道機関に対し、この旨を申し入れた。

 

また市では、市民への安心を伝えるため、市長名で「半田病院で定期的に受診している方の出産及び緊急時の受入れや、半田病院でなければ対応できない緊急を要する場合には、可能な限り受け入れており、周産期医療に支障をきたしていない」旨のお知らせをホームページに掲載したり、今後、市広報に同様のお知らせを掲載する予定と聞いている。

 

県としては、県周産期医療協議会のホームページで半田病院での周産期医療の受入れ状況を周知し、県民に安心していただくような記事の掲載をしていく。

 

 

 

 

【筒井タカヤ委員】

記事と実情の食い違いについては「半田市の方でも広報する。県の方でもこの際、正しい内容の半田病院の状況をホームページに掲載する。」ということでしたが、県は、健康福祉部長名で朝日新聞社に正式に抗議する、訂正記事を求めるなどの行動をすべきではないか。

 

このまま県の広報で、崩壊していないと掲載することだけで済ましてしまうのか。今後の姿勢も含めて伺う。

 

【児童家庭課長】

この問題は、県民の不安解消という問題である。半田市の議会で既に12月4日に記事と事実の食い違いについて、報道機関に訂正を申し入れ、12月5日付けで各紙が、訂正記事を載せており、見出しで「全面休止でなく、受入れ制限」「担当医がいれば、母体搬送受入れ」としており、事実誤認があったことの記事が掲載されている。

 

また、周産期医療協議会のホームページや児童家庭課のホームページで周知したいと考えている。

 

 

 

 

筒井タカヤ委員】

県は報道機関に対し、間違った報道を正す姿勢を示さなければならない。記者も責任をもって書いているし、その上司である責任者もいるはずである。抗議して当然のことだと思う。

今後、このようなことがあったら、県としてきちんと対応することを強く要望する。